官能小説家だったころ「ブラックホールにおティムティムをつっこむ話」を考えたことがある。チョーきもちいいのではあるまいか?もちろん体ごと蒸発するかもしれないが、きっとチョーきもちいいはずだ。
そんな妄想は実は世界中で行われていたようだ。同志よ・・・
実験室で新しい宇宙を創造する物理学者たちの話。物理学の話なのだが、結局のところ神がいるんじゃね?創造主がいるからこんな世界になってんじゃね?という宗教的な世界にまでアプローチする本。
「じゃねーとおかしいじゃん、この世界、人間に都合よすぎっしょ」
「いや、それは無数に宇宙が生まれているからであって、観測者が生まれる条件だったってのがこの宇宙だったってだけだよ」
「ちょっとまって!おれ思うんだけど、宇宙って生まれた瞬間に光のスピードを超えて膨張したとおもうんだよね」
「光を超えるとか!ワロス!」
「ってーか量子もつれって光のスピード超えてるよね?」
「それに棒磁石を半分に切ってもN極S極になるのキモくね?」
「あ、わかった、この世界って量子コンピューターだわ、宇宙つかって計算してる」
「誰がだよww!」
「だからスーパーインテリジェントな宇宙人だよ!」
「いねーよ、そんなの、それよりこの世界は無限のマルチバースが存在してる!」
「でた無限!キモ!だれがそんなの作ったの?神?」
「神からのメッセージが物理法則よ、意識がある我々に向かってメッセージを送ってる」
「その意識ってのがよくわかんねんだわ」
「むずかしくかんがえんなよ、意識なんてそこら中に生まれてるよ、スマホにだって意識は生まれてるよ」
「ってかさーでっけーLHCつくれば宇宙って作れね?したらオレたちって神ってこと?」
というあまり理解しているかわからんがこんな話だった。
そんな話を読んだ後に出勤した。夜勤だった。
認知症が進んだ利用者の中には、健常者とは違う世界が見えているんじゃないか?と思われる人もいる。それはこっちの世界のイメージからどんどん離れていき、かろうじてコミュニケーションがごくたまに行えるぐらいの遠さだ。落ち着かないときは手を握るぐらいしかできることはない。手の温度から「意識」を感じる。この人の意識はどこに向かっていくのだろう?せめてあたたかな光にあふれた場所であってほしいと思った。