沢登りの師匠Oさんからお誘いがあった。
こちらの休日を伝えているのは、こんなお誘いを頂くため。
ほんとうにありがたい、今回のターゲットは電気の沢ということだ。
数年前から「行ってみたいよね」と話していたところで、今回ついに行けるのだ。
電気の沢とは
北大雪エリアにある沢で、美しいコルジュ帯を流れる沢。
北海道で最も美しい沢の1つと言われる。
登攀がやや必要であり、初心者には不向き。
自分は懸垂下降すらやったことのないおっさんで、沢靴もモンベルの6000円ぐらいのヤツ。だけどメンバーであるOさんは頻繁に沢に行くベテランだし、リンちゃんは飛び入りだけど沢にハマっていて、登山経験はガイドになろうかと言う人。「アコンカグアに行ったんです」というレベル。安心です。
気になったのは、つい最近死亡事故があったこと。
大学生がF1の滝で亡くなっている。
情報では下降中に起こったということだが、今回(というかいつも)沢を下ることは無い。
沢を下るのは本当にむずかしく、それこそ懸垂下降が必要だ。
電気の沢には夏道があって、それを下ればすぐに下りられる。
電気に行ってきた
最高だった。
しびれるほど寒い、という電気の沢。
だけど日差しが強く、遅めのスタートだったのでコルジュに日光が差し込む。
水は冷たいけど、あたたかい。
苔むしたコルジュは美しいの一言。
登攀するところでは、お助けロープを出してもらって何とか登れた。
下りは高速道路、あっという間に下山。
夜はジンパで盛り上がった。
「ニセカウの沢に行こう」とOさんが言ったのは次の日だった。
ニセイカウシュッペの沢
1日おきに沢。これぞ北海道の沢である。
シーズンが短いので、やれるときにやらなければならない。
それにしても、ここも行きたかった山、そして沢なのだ。
ニセイカウシュッペには登ったことが無く、その山容にほれてた。
そこに沢から登れるってことでテンションあがる。
コースとしても難しいことはなく、迷うポイントも少ない。
ここも最高だった。
F1からF5まで魅力的な滝があり、直登可能な滝がいくつかある。
まさにシャワークライミングって感じの滝。
f5が終わればナメ滝が続き、夏道へのアプローチも今までのどの沢よりも簡単だった。ハイマツをちょっと踏むぐらいだった。
天候はあまり良くなかった。風が強くて、F5を超えたあたりで寒さがおそってくる。
ソフトシェルを着て、コメを食いながら歩く。
山頂では10m以上の風だったので写真を撮影して撤退。
観たかった稜線の山容は白くガスっていた。
だが、樹木帯になると、強風によるざわめきが素敵な音楽になっていた。
仕事用BGMにあるような、脳を癒すざわめき。
波の音にも似ているけど、やはり独特な自然の音。
それに鳥の声も合わさって、下りは幸せだった。
またこよう。ここなら、自分でもと思える良い沢だった。