職場でハロウィンパーティーが行われた。去年はマツケンサンバだったので、今年はそれに葉っぱ隊をプラスして裸踊りのようなことをした。やる前は緊張した。夜勤明けだったので、家に帰って少し寝てまた出勤。出勤する途中でも「え、マジでやるの?おれ?」と恐ろしかった。
ウケなかったらどうしよう
その恐怖はすさまじい。想像しただけで重たい汗が出てくる。時間が残酷にも進んでいく。かならず、やらなければならない時間になる。「リング」だ。ボクシングのリング。どんなに恐ろしくても、後遺症が出てしまうようなパンチをもらうかもしれなくても。時間は必ずやってきて、その時にはリングに上がらなければならない。俺は「リング」とつぶやいて、葉っぱ隊の音楽とともにリビングに飛び出した。
当然ウケた。
そらそうだ。裸踊りに老いも若きもない。心配があるとすればちょっとウケ過ぎてしまって、会社の偉い人に怒られる可能性があるくらいだった。いやあ、やってよかった。
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UAの微熱にはまったので、音楽を購入することにした。
おっさんの癖として、音楽とはCDに入っているものと考えている。最近買ったのは水曜日のカンパネラか。2000円くらいだった。UAはもうちっと高くて2700円。だけど、ダウンロードサイトなら1200円。うっそ!安い!
でも、そのサイト、もしくはそのアプリじゃないと聞けないとかでしょ?DMM的な。なんかそんなのヤなんだよねー、やっぱナマのデータをmp3でPCに入れとかないと安心できない。
「データダウンロードできます、mp3よりも高音質です」
なんと!じゃあ買う!ってことでmoraで購入した。ちゃんとスマホで聞けるデータがダウンロードできた。どーせゴミになる円盤も買う必要がない。時代進んでるなあ。
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夜勤という性質上、どうしても夜に起きていなければならない。
夜
とはどうしても人間の心理に影響を与えてしまうようだ。3年もやってるのにどうしても3時くらいには暗い気持ちになる。
だからルーティンとして本を読む。いまは中村天風がいい。
「いいか?病や苦しみも喜びなんだ、天の神様が『そのやりかたじゃあ病になるぞ』って教えてくれるのが病なんだ、だから病気になったら喜ばないといかん『ああ、これで間違いに気づけたぞ』ってな」
そうか、喜びか。この押しつぶされそうな時間も、喜びなのか。喜びなんだな。修行させてもらってんのかもな。いつまで働けるかわからんが、この夜を自分のものにすれば、どこいっても怖くないな。
わはは、喜びか。
そう感じたとき、夜の指揮台でベートーベンが第9を俺のために始めた。歓喜、歓喜、圧倒的歓喜の歌。
ベートーベンの苦しみあふれた人生の最後に作ったのがこの曲なのだから、やはり何事も喜びなのかもしれないね。