モトハチ(元蜂の宿管理人のブログ)

閉鎖したライダーハウスの元管理人のブログです

死者の臭い

夜、線香の臭いがすると誰かが死んでいる可能性がある。と先輩が言った。介護施設あるあるらしい。夜勤あけでそんな話をするもんだから「誰か死んだんですか?」と聞くがそんなことはなかったらしい。「じゃあ、誰かが来たのかも」ともう1人の先輩が言った。死者が来た時も線香の臭いがするらしい。あるあるー

死と線香の臭い。その関係性はなんだろうか?「時をかける少女」ではラベンダーの香りがキーになっていたけど、死は線香の臭いなのか。それとも介護施設だけの現象なのだろうか。先日、死体遺棄の裁判を傍聴したけれど、悪臭でブルーシートのちまきをしたっていうじゃないか。それが線香の臭いとどうつながるのだろう。

「でも、いつ誰が死んでも不思議じゃないですよ」と先輩は言う。そりゃそうだろう。介護施設、そのなかでも特養は「人生を過ごす最後の場所」といわれている。いつ誰でも、最後の道を歩み出してしまっても驚かない。

そんな場所で出来ることは何か考えた。テーマはやはり笑いだと思う。1日1笑。誰かを笑わせる縛りを設けている。これは難しいかな?と思ったけれど、やってみて数日、簡単にクリアできることがわかった。

話しかける。オーバーにリアクションする。バカになりきる。床を転げまわる。腹を抱えて意味もなく笑う。ちんぽ、セックス、豆、うんこ、しっこ、ギャハハ!使えるツールはなんでも使ってやる。すると簡単に笑ってくれた。

考えてみれば簡単な事だったのだ。お年寄りはワードセンスやタイミングやロジックで笑うのではない。面白いから笑うのだ。ある意味小学生に近い。昨日はコマネチをしてみた。思いっきりスベった。でも火薬田ドンのように歩いてこけてみた、ウケた。

よしよし、これだと思った。江頭、ダチョウ倶楽部出川哲郎のような笑いを勉強しよう。「居たくなる場所というのはムリだが『いてやってもいいかな?』ぐらいのところを目指そう」施設の上の人の言葉。