15年つきあっている彼女がいる。
これまでふわふわ自営業をしている影響で、まったくご縁談の流れにはならなかった。自営業が終わり、介護施設にひろってもらい、ついでに家まで買った。これはお堀が埋まったと言えるだろう。あとは勢いがあれば行ける・・と思って半年が過ぎた。
だらだらと同棲し、毎日が過ぎる。「べつにこのままでもいいんじゃね?」と思い始めていたところ「昨日何食べた?」(よしながふみ著)の最新刊を読み、その中でこんな話がある。
「もしね、息子が死んでしまったら、私たちはあなたのことをただのお友達としてお葬式に招かなければいけなくなるでしょ?だからこうして顔だけでも合わせておきたかったの」
顔だけでも。あまりに当然の話だ。さらにブラックミラーの「nose dive」という回で本音を話すことの重要さを知り「っていうか、入籍する?」と彼女に聞いた。「そりゃそうだ」との事だった。そりゃそうだろう。「じゃ、来月」ということでアポとって彼女の家まで行ってきた。
「帰れ!」とたたき出されるかと思ったが、そんなことはなかった。よろしくおねがいしますと、人生でトップ10に入る大事な話し合いが終わった。
後はこちらの家族との会食とか、式とか、旅行とか、すべてコロナのせいにして先送りしよう。とにかく、大事な話が終わった。