10年間の自営業生活が終わって、今月から工場勤務が始まろうとしています。今までだったら不可能だった「夜、出歩くこと」ができるようになりました。読書もじわじわ復活してきて、図書館で気になった新刊を借りてきます。
「逃げ出せなかった君へ」(安藤祐介著)はタイトルで借りて、パラパラとめくったら面白そうだったので借りました。ブラック企業で起こる悲劇と、巻き込まれた人たちのオムニバス。とても面白かったです。
私も、ブラック企業ほどではありませんが、郵便局の保険屋をしていたときは「仕事のため」に他人にご迷惑をおかけしてしまいました。自殺するほどではありませんが、自分の体がぶっ壊れてしまえばラクなのになあ・・・と思ったことがあります。
そんな私が飲食という仕事に出会えて、しかもライダーハウスというでっかいおまけ付きで、しかも自営でできるチャンスに恵まれたのです。そりゃもう、体と時間をすべて仕事に捧げてきました。幸い、体と心は頑丈で、健康体のまま終わることができました。
んで「せっかくだから、旭川で飲もう」と彼女と旭川へ。なんとなく、焼き肉を食べることにします。4時頃に行くと「外の席にしますか?」と店員さん。「外?」と聞いてみたら、どうやら向かいにあったビルがぶっ壊れていて、そこの跡地を客席ビアガーデンにしてしまったようです。「外で」と迷わず言いました。
「じゃあ、まあ、蜂の宿の打ち上げってことで」と彼女と乾杯します。あたたかく、日が長い北海道の6月。ビルの隙間にできた、知る人ぞ知るビアガーデン。ここ以上のホルモンは知らない。ああ、最高。なんで、こんなに最高なの?
「許されたのかな?」とふと、思います。
郵便局時代の悪行。逃げ出したご迷惑。不義理。
懸命に働き、捧げたことで、もし許されたのなら、こんなにありがたいことはありません。