8月の山の日に3連休をもらえたので、テント泊登山に行ってきた。
狙いは天人峡からのトムラウシ。
ライダーハウスを閉鎖する4年前に、ライダー達と行こうと思っていたコースだ。
3人用のテントと4シーズン使える寝袋と冬も使えるマットとドローンと水を60リッターザックに入れて出発する。
重い。
今シーズンはそれなりにトレーニングしてきたつもりだったけど、テント泊装備を上げるのは久しぶり。しかも一切の妥協のない「持ってきたいものは持っていこう」という装備だったので、とにかく重い。
とにかく、テント場であるヒサゴ沼まで・・と歩き続ける。9時間30分の道のりだった。テントを張り、猛暑だったが寝転がる。汗がすごいでる。だが起き上がることができない。
「ヒサゴ沼避難小屋に、テントとシェラフとマットを置いておけないか?」と考えた。そうでもしないと、命に係わるのではないか?
だが、避難小屋には「ゴミは持ち帰れ!」と至極当然、まったくまっとうな張り紙があり、それはできなかった。
結局12時間寝続けた。トムラウシはあきらめた。
午前2時に起きる。体は何とか動く。ヘッデンをつけて撤収し、真っ暗な中を歩き続ける。
ブレブレのヒサゴ沼キャンプ地。
3歩歩いてはあえぐ。徐々に日が昇り、鳥たちが鳴きだす。
ギャエー!!!
という大きな鳴き声。こちらを警戒しているようだ。
見上げると熊が逃げていった。じゃましてごめんよ。
化雲岳までもどってくる。そこは大きな岩があって、昨日はそこに登って「よし、明日はここでドローンをとろう」と思ったが、風が強く、足の踏ん張りもあやしいのでやめた。
だが、ここまでくれば、あとは下りるだけだ。背負い続けた重量も、それほど気にならなくなってくる。
8時間30分ほどで帰ってくることができた。
最後に、印象的な出会いがあった。
滝見台という休憩場所で休んでいたら、長いとんがった棒をもったおじさんが「ドーナッツ食うか?」とドーナッツをくれたのだ。
ドーナッツをもらいながら、おじさんの棒を観察する。
10cmほどの角材を持ちやすくサンダーをかけ、先端を鉛筆のようにとがらせている。とがらせぶぶんのあたりに、インディアンのような鳥の羽をつけている。
いったいあの槍のような棒はなんだろう?
「その棒は何ですか?」と聞いてみた。
「あ、これ?槍だよ」とのことだった。
槍かー、やっぱ槍かー。
「熊にあったときにさ、なにもなかったら心細いじゃない、だからこれでえいっ!てね」
「なるほど」
おじさんにここで熊にはよく出会うのか?と聞いたら「いや、ここではあったことないね」とのことだった。
印象的な出会いもあり、なんとか山に迷惑もかけずに降りてこれたのがうれしい。その画像データーを編集する気力がいまだにわかない。もう8月も終わりだというのに、みるだけで疲れきってしまったあの時を思い出してしまうから。
***
どかんと農業まつりに行ってきた。
とてもとても良い祭りだった。
13年も美瑛に住んでいて、初めてって同僚に言ったら「なにしてたんですか?」といわれる。たぶんグレていたのだろう。
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へんな本を買う。
なんか職場の飲み会にコロナの関係で参加できなくて、そのかわり6千円分のクオカードをもらった。
「なにか面白いことに使いたい」
と思った。
そこでジュンク堂までいって、普段は買わないようなマニアックな本を買うことにした。
で、この本だった。
陰陽師とかが出てくる小説が好きで、自分でもそんな小説を書いている。そこでの陰陽師的な知識が絶対的に不足しているのを感じていたので、この本を見つけたときはビビッと来たのだ。
まだ読み始めたばかりだが、なんかヤバイ本を買ってしまったと感じている。
小説はなんとか目標の10万字に到達し、登山中に思い付いた着地点までの道のりを文字にするだけという状態だ。
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8月の酷暑は大変だった。
家はまだいい、クーラーがある。
職場にはあることはあるのだが、居住空間すべてにクーラーがあるわけではなく、室温管理にピリピリと神経をとがらせていた。
なんとか、利用者に持ちこたえてもらうことができた。
高ぶる神経は日々のリズムを狂いに狂わせ、仕事が終わって夜、眠いけど眠れないという状態が続いている。
眠れずに起きる。そうしてスマホなどを見てしまうのだからよけいに眠れない。愚かだなあ・・・と窓を開け夜風を入れてみる。すこし涼しくなっていることに夏の終わりと安堵を感じる。