スマホに入っている小説「探偵は吹雪の果てに」を読んだ。3回目ぐらい。
探偵は吹雪の果てに ススキノ探偵シリーズ | 東 直己 | 日本の小説・文芸 | Kindleストア | Amazon
東直己のススキノ探偵シリーズの1つ。映画では大泉洋がやっている「俺」がススキノを舞台に活躍するのだけれど、これは北海道の田舎の話。それも自分の故郷である深川市あたりが出てくるので何度も読んでしまう。
北海道の田舎のあの閉塞感、どうしようもない感じを実に見事に描写している傑作だと思う。公共事業と交付金だけで生き延びている、市場経済からとっくに見放されたあの感じ。パンクロックにはまらなければ呼吸できないあの空気。それがページをめくるたびに思い出されて良い。
今住んでいる美瑛町も、まぎれもない田舎なのだけれど、やっぱりどこか違う気がする。きっと人間を見ずに自然ばっかり見ているからだと思う。自然は素晴らしい。人や経済が腐っていても、いや、腐っているからこそ自然の良さが際立つ気がする。
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ネトフリでインサイドジョブという映画を見た。リーマンショックのドキュメンタリーで、いろんな人にインタビューしてそれをつなげていくヤツだった。これも実によかった。
サブプライムローンによる住宅バブルと、その格付け会社が腐っているのがそもそもの始まりだった。格付け会社ってすごいな。ファミ通のレビューぐらいの信用度かと思いきや、金融経済においてかなり重要な指標になっているのだ。
で、もちろんそんなのはファミ通のレビューぐらい腐っているのは当然であって、サブプライムを組み込んだデリバティブがAAとか高評価を叩き出して、政府も金融機関の暴走にはノータッチっていうか、金融機関のロビイストが積極的に政治に参加。日本でいうならパチンコと警察ぐらいずぶずぶになっているのでありました。
まあ、しょうがないよね。経済が政治のテーブルの上に載っている以上、腐っていくのは自然の摂理なのだ。なるべく、そんな世界とは遠くにいたい。ってそれが北海道の田舎ってんだから、なんか笑いたくなる。