モトハチ(元蜂の宿管理人のブログ)

閉鎖したライダーハウスの元管理人のブログです

健康的な人生の最後

認知症は65歳以上の人間の半分がかかるという。決して他人ごとではなく、自分がかかるかもしれないし、親や嫁がなるかもしれない。いまそれを肌で体感して、健康的な人生の最後というものについて考えさせられている。

認知症にはいくつかのタイプがあり、もっとも多いのがアルツハイマー認知症だ。このタイプは全体的に脳が収縮していき、比較的なだらかに落ちていく。物忘れからはじまり、新しい記憶から失っていくのだ。そしてその人の全盛期だった時代までさかのぼる。漫画でよんだのだけれど、20代という80代の男性もいる。決して珍しい事ではない。

脳は、信じたいと思ったことを信じるのだ。快楽主義ともいう。「あなたは施設にいて、ここからはでられませんよ」と言っても「ここは施設じゃない、家に帰る」という。そうなると、ここは施設ではなくなる。それが現実なのだ。

これはなにも認知症だけの話ではないだろう。強く願えば、それは現実となる。なぜなら、現実とは脳が認識する世界のことだからだ。

そんなわけで、6時間以上しゃべり続けているお年寄りと夜を過ごした。ピック症とも前頭側頭型認知症ともいわれる認知症もあり、その特徴が多弁。その人の認識する世界の話をただ、聞き続ける。

最初はキツかったけれど、最近はコツを掴んできた。小脳を使うイメージ。脳をパーティションで分けて、自動的に対応するシステムを動かしている。要は車の運転のようなもので、無意識に体を動かすのだ。