モトハチ(元蜂の宿管理人のブログ)

閉鎖したライダーハウスの元管理人のブログです

怒りのエネルギー

休日だった。月に2度しかない資源ごみの日なので、たまりにたまった段ボールや瓶、かんを捨てまくる。終わったごろに裁判所に電話する。2件あった。

暴力事件と建造物破壊の罪だった。暴力事件はよくある男女のもつれであった。男性が正論でもって女性を説得するのだが、女性はしらねーよと相手にしない。それに怒って暴力をはたらいてしまうという内容。被告の父親がでてきて「まず働け」という証言をしたのが心に響いた。そうなのだ。働かない男の言葉ほど軽いものはない。正しさと説得力は遠い存在なのだ。

建造物破壊は珍しい罪名だった(侵入ならよくある)。身柄拘束で法廷に入ってきた被告は、最初から怒っていた。今回は審理だったのだが、今日やる裁判の流れを裁判官が言うなり「はい!」と手を上げ発言し始めるのだ。それによると証拠写真に異議があるらしい。弁護士が慌てて「それはこれから認めるかどうかって話をするんだよ」というが「でも、これからやる証人の偽証罪に問われるかもしれません」と一歩も引かない。裁判官も「時間がかからないなら」という条件で被告人質問の形式で被告の発言を許可した。被告は用意した文章を怒りを込めて読み上げた。それによると、証拠写真の撮り方、証拠である現場写真を撮った際の不手際やウソ、とにかくこの写真はでっち上げであるということを読み上げた。専門家の様な口調と知識だった。頭がいいんだと感じたが、この時間に意味が無いことは裁判官や弁護士が何度も説得しているのだ。傍聴人だってわかる。その証拠を採用するかどうか?って話はこれからやるんだ。裁判官の心証を悪くするだけなのに・・と思う。文章を読み上げて被告は席に戻る。そしてやっと証人喚問に入った。証人は刑務官で、どうやら被告は部屋のガラスを割って、その破片で腹を切ったらしい。その被害額は95万円以上!!これには驚いた。被告の怒りも理解できる。そりゃそうだ、たかがガラスがそんな金額になるのはおかしい。特殊な機械でも使って、部屋の柱とかを損傷させるならわかる。だけど身一つの受刑者なのだ。だいたい、ガラスがとれちゃう時点で刑務所としてどうなのだ?一度刑務所の中にはいったことがあるけど(ツアーで)そんな脆さがあったとは・・・証人喚問の間も、被告は小声でツッコミをいれていた。裁判官は注意しなかった。私はいいところで席を立つ。被告がなぜ腹を切ったのか興味があったけど、ガラス代がなぜ高額なのか語られることは無いだろう。いろんな黒いお金の流れを感じる。裁判官も大変だなと思った。この法廷で、この裁判官は、昨日、死なせてしまった子供を庭に埋めて、給付金を不正受給し、そのお金で子猫を2匹33万円で購入した夫婦の事件を裁いている。いくらプロでも頭がどうかなっちゃうんじゃないだろうか?いちいち感情移入していてはやってられないだろう。

色んな人の怒りのエネルギーを目の当たりにした日だった。だけど、普段からさらされているお年寄りのエネルギーに比べると、まだ論理的な余地があると思った。プールに行き、800mほど泳いで、それから帰宅。先日購入した電気圧力鍋でカレーを作り、カツを揚げた。カツカレーである。