モトハチ(元蜂の宿管理人のブログ)

閉鎖したライダーハウスの元管理人のブログです

監督と5人のおばさま達

夜勤になった。私の勤めている工場は、回りが畑なので、夜は宇宙空間に浮かぶ島のようになる。

工場機械の作業音がなりひびく。センサーの指す数値を意識しながら、休憩になった。

「この工場には5人のオバサマ達が出勤してくるんだよ」とリーダーが言った。最初、ああ、そんな影のスタッフがいるんだ・・と思ったが、そうではない。

それはどうやら霊的な話で、過去に働いていたスタッフの妻が見える人。彼女が「ねえ、あなたの働いている工場って、ひょっとしてこんな感じ?」と見てもいない内部について喋りだしたのだ。

「5人のおばさんが、毎日通っているみたい。そして、一番高い所?にも1人いて、それはきっと守り神のような存在ね。悪いものから守ってくれているわ」

私は、その一番高い所を見上げた。12mぐらいの独立した高所で、めったにそこまでは行かない場所だ。工場全体を見渡すなら、最適な場所だと思った。

彼女(仮)を「監督」と名付けた。監督がいまだソコにいるのかはわからない。だけど、監督のためにキレイにしておこうと思った。

掃除をしていたら朝になっていた。5人のおばさんも出勤しているのだろうか?いても、いなくても構わない。気持ちはちょっとわかるからだ。なぜなら、もし、私が夜を彷徨う霊的な存在だったら、ここの明るさや音に吸い寄せられているだろう。くわがたや、カブトムシのように。