裁判傍聴してきました。
おお、自分の後頭部が・・・ 詳しい内容はこっちのブログに書きました。
被告は税務署で働いた経験から「自分も税務署職員になりたい!」と公務員受験を決意してます。
周囲の応援もむなしく失敗、以後ずるずると引きこもりになってしまうのです。で、思うのですが公務員ってそんなにいいものではありません。
公務員予備校にいってたことがあります
私もアホなので大学をただ卒業して就職しませんでした。なので親から公務員予備校に通わせてもらい、なんとか郵便局に就職できたのです。
スネかじりの私に比べて被告は日中働き、夜予備校に通う毎日。えらいぞ。
公務員ってそんなにいい仕事じゃないでしょ
当時公務員だった郵便局はさすがの福利厚生、組合もしっかりしていて充実の安定感です。が、私のメンタルは崩壊していきました。保険の営業ができなかったからです。
同じく公務員である役場の人も大変そうです。地元住民とはトラブルを起こさないように、居酒屋に来たときも細心の注意をして酒をのんでいるように見えます。
被告がなりたかった税務署だってそうでしょう。おそろしく細かい数字の波を泳ぐことができるのは、ごく一部の限られた人間だけのように思えます。
正社員にこだわる理由って何でしょ
被告は公務員になる希望がたたれた後、正社員の面接を受けていますが失敗します。
母親から「自立しろ」と常に言われまくったこともプレッシャーになっていたようです。
面接に失敗しまくったのも、おそらく被告の発達障害がネックになったはずです。それに気づかず「正社員になれない自分は死んだほうがいい」とまで思い込んでしまった。
今の価値観はおそらく100年前ぐらいから
なぜそこまで正社員にこだわるのか?というと安定しているからです。
ではそんな価値観になったのはいつからなのでしょうか?おそらく明治のころ肉体労働者とデスクワーカーの差がはっきりしたころだとおもわれます。
当時の肉体労働者は搾取の対象です。小林多喜二の「蟹工船」や三島由紀夫の「絹と明察」にもあるように、ブルーワーカーは資本を持つものに徹底的に搾取されるのです。
だから正社員に、それこそが正解だという考えがうまれ、今でも生きています。
そんな時代から資本主義は発達しまくって、労働環境は大きく変わりました。若者達は下手な就職をしてメンタルを破壊するよりも、まったり安定した仕事で自分の好きなことをやろうとしています。
体を使ってナニカを作る仕事は楽しいです。メンタルは安定するし体力もつきます。ストレスが少ないから酒が上手いし、ネットを使えば自己表現もできます。
つまり、肉体労働バンザイ。なにが公務員だバカヤロウ。カブをかって家を出ろと被告に教えてあげたかった。
カブに乗れ、ライスで働け
親族のブラックジョークを真に受けて被告はひいおばあちゃんを殺害してしまいます。そうまでなったのは、自分の部屋に閉じこもって挫折を舐め続けたから。公務員になれなかった自分を責めたのでしょう。
もし自分が親戚だったらカブを買い与えてライスセンターにブチ込んでいたと思います。まず、家を出ろ。そしてカネを稼げと教えたかった。そっから本当の呼吸をして、本当の飯を食い、本当の人生を歩めるんです。