通貨偽造の裁判員裁判が行われています。
裁判員裁判は比較的重大な犯罪で行われ、通貨偽造は無期懲役から3年以上というもの。
いったいどんな裁判なのでしょうか?法廷に入り、メモを構えていたら弁護士の近くに老夫婦が座りました。
「被告の親かな?」とおもったら、その老いた男性が法廷内に入ります。被告でした。
年齢は78歳。千円札をカラーコピーで偽造して、ハサミで切り、水をかけて貼り合わせ、近所の商店で使用したという罪です。
年金は夫婦で月30万円、夏までは新聞配達のアルバイトをしていたということです。
「タバコ銭を捻出するため」犯行におよんだということですが、おそらく、違うような気がします。
被告は軽度認知症と前頭側頭部認知症を診断されているとのこと。
それが、理性の部分を麻痺させているんじゃないか?と思いました。
人間の心の奥には、動物がいて、それが表に出てきただけじゃないか?と
・・・これが、人生の行き着くところなのかなあ?と悲しくなりました。
午後の被告人質問だけを傍聴して、あとはいいや。
いつもの場所で仕事をします、あ、いま弁護士と被告人夫婦が歩いてました。
どこから見ても、まともな老夫婦です。
年金をたっぷりもらっても、幸せとは限りません。
私達の行き着くところは、もっと寒くて、厳しいところであるべきだと思いました。
そこに行けるのは、意思があり、脳がぴしっとしている時だけ。
アントニオ猪木が糖尿病を水風呂で治療したように、緊張感を常に脳みそに与えていきたいと思います。安定とか、幸せとか、望んだら、その時から体は老化して行く気がする。