バイクで曲がるときは体重移動が大切です。それは体をダイナミックに地面に近づけることではありません。
それでは遅いです
大切なのは曲がる前から体重を移動すること。体の動きは最小限にとどめるのが最もクイックでエレガントに曲がるコツです。
真冬の郵便配達では体に重心点を感じなくてはいけませんでした。重心点の動かし方について解説します。
曲がる前が大切
例えば「50m先の信号を左に曲がろう」とします。
歩道のあたりで体を「うりゃ」っと左に倒すのは危ない曲がり方です。
重心点は自分の中心から一気に左に振れますが、戻ってくるのに時間がかかります。
メトロノームをイメージするといいでしょう。
人間で一番重いのは頭部です。ボウリングの玉が首の上に乗っかっていると考えてみてください。
それはメトロノームでいえば一番上に重りをセットするようなもの。ガッツリ倒れますが、戻ってくるのも時間がかかります。
交差点の先に緊急停止している車があったら?歩道から飛び出してくる車があったら??メトロノームはすぐに戻れません。
転倒するか、かばい足でケガをするか、バイクは倒している間はフルブレーキできない構造です。
大事なのはあらかじめステップに荷重すること
メトロノームの重りを下げることが大切です。そのためには足の裏でステップに荷重をかけることです。
それも曲がろうとする時にかけるのではなく、曲がる前からあらかじめ荷重することです。そうやって荷重移動の準備をしておくのです。
そうすることでメトロノームは重りが下がり、さらに指で少し倒しておくような状態になります。
いざバイクを倒して曲がり始める時にも、荷重移動の準備ができているのでラク。ほんの少し腰を使うだけでクイックに曲がることができます。
サーキット走行との違い
このようにバイクは重心を感じて、その移動を最小限にとどめることが大切です。では「サーキットなどでリーンインするのは間違っているの?」と思いますがそうではありません。
レーサーがより早く曲がるために体をバイクから落とすのは、それがより早く曲がるための技術だからです。そのためにはバイクの可倒角度、コーナーのR、タイヤのグリップを知り、クイックにバイクを立てるための肉体が必要です。
我々がより美しくバイクを操るためには、まず足元から。それも曲がる前から意識することです。