「最強のオフ車はどれだ」
と考えたことがあるでしょうか?オフロードバイクというジャンルは広く、一口に最強といってもさまざまな目線があります。
求められる性能ごとに最強のオフ車があるはずなので、そのあたりを考察しましょう。
1.走破性
オフロードバイクはどこにでも行ける乗り物である!という目線で見たのなら、最強のオフ車は走破性に優れたものです。
トライアル車とはオフロードバイクの1ジャンル。普通に考えたら走行不能な環境のなかでレースをしたり、障害物を乗り越えたりするものです。
走破性に性能を全部振っているバイクなので、普段使いには向きません。ツーリングなんて修行でしょう。一度TL200というトライアル車に乗せてもらったことがあるのですが
「なにこのシート?お飾り?」
といったものでした。つまり座るように作られていないバイクです。
それに走破性はウデも肝心です。この動画の12分あたりからが面白いです。
・・・・ああ、すっぽりと・・・
こんなところに入ってしまったら、トラ車だろうが関係ないでしょう。つまりは自分の行ける限界を知ることが大切なのです。
例えばこの動画の人なんて徐々に腕を上げていってるのが分かります。
ですが、結局遭難してます。
2.タフさ
オフロードバイクの良い所はタフなことです。さっきの遭難動画の人は
「なんども崖からセローを突き落として」
なんとか町まで帰ってきています。
構造がシンプルで軽量なオフロードバイクはやはり頑丈なんです。それにしてもセロー225の頑丈さには驚くばかりです。
同じく頑丈さで人気なのが「スズキ ジェベル200」でしょう。
スズキ ジェベル200 のカタログ情報 | 新車・中古バイク情報 GooBike(グーバイク)より
車重も軽くて108kg!パワーがやや物足りないですが、とことこ走る初心者向けのオフ車です。
3.軽さ
私がオフロードバイクにハマったのはこのバイクを手に入れてからでした。
スズキ ハスラー50です。
1時間あれば農道を走っていました。たのしいバイクです。
2ストなので原付といえどそれなりにパワフル、でもハスラーの最強ポイントはそこではありません。ハスラーの良い所は「軽さ」にあります。
乾燥重量77kgという軽さ!多少倒れようが、コケようが、地面とサンドイッチになろうがおかまいなしの軽さです。
近場の農道は大体走ったので「もっと遠くの林道にいきたいなあ・・」とXLR250Rに乗り換えました。その時の印象は「重い!」でした。
ちなみにXLR250Rの乾燥重量は114kgです。そりゃ77kgのハスラーに比べたら重いでしょう。その後すぐにXLRの重さになれましたが、誰かにまたがってもらうと「なにこれ!軽い!」って言われます。
今のオフ車はだいたい130kgほど。そりゃ114kgのXLRは軽いでしょう。
ホンダ(HONDA) XLR250Rのカタログ・諸元表・スペック情報-バイクのことならバイクブロス
ちなみにセロー225も117kgほどです。
さて、軽量さでオフ車を選ぶならぜひ2ストをおすすめします。もう手に入るタマが少なくなってきましたが、パワーバンドに入ってからの咆哮は燃えます。景色が後ろに吹っ飛び、気持ちがグワッと熱くなります。
ただ、古いので壊れやすいのが難点です。パーツも無いから大事に乗りましょう。「それじゃイヤ!新車で2ストがいいの!」というわがままな貴方!そんな人におすすめなのが海外オフ車です。
スズキTF125です。海外でひっそり生産されていて、日本にも輸入されています。新車で2スト!しかも原二です。カッコもいいですね。
他にもハスクバーナのTE250とかありますが・・・お値段100万以上です。すいません、よくわからない世界です。
4.パワー
オフロードバイクでパワーを語るならこのバイクでしょう。
最大出力40ps!おっとろしい!
スズキ DR-Z400SMの諸元・スペック情報 | ウェビック
林道好きなライダーさんがこれに乗っていて
「100km/hオーバーで走ると気持ちいいよ!空を飛んでいるみたい!」
といってました。そのまま昇天しそうで怖いです。
日本での生産は終わってしまいましたが、海外からの輸入はできるようです。
5.旅最強
オフ車と旅はよく合います。オフ車にハマっている人は何時間でも日本地図を眺めることができます。そして
「ああ・・ここにも林道がある。この滝いけるのかなあ?うふふ・・行きたいなあ」
とヘロイン中毒患者のような夢遊(トランス)状態になるのです。
ツーリング最強のオフ車と言えば、やはりこのシリーズでしょう。
TOURING SEROW - バイク・スクーター | ヤマハ発動機株式会社
ツーリングセローです。通常のセロー250に純正の旅仕様モデファイをした製品になっています。もちろん通常のセロー250も良いバイクで、ライダーハウスに来るオフ車で一番多いでしょう。
そのデザインも人気で、旅仕様にチェンジするためのパーツもいっぱいあるから困ることはありません。ここまでキャリアバッグがにあうオフ車も少ないです。
インジェクションにより燃費も良くて40km/l!(上記公式より)タンクも9.6ℓ入るからツーリングにも安心。
そしてツーリングオフといえばもう一つ。
スズキ ジェベルxc250
17ℓの鬼デカタンク。そして水冷250単気筒エンジンは最高30ps!上手い人が乗れば下手なロードバイクをカモれる性能のツーリングオフバイクです。実にスズキらしい。
6.足つき最強
オフロードバイクに乗りたい=ガレ場で崖を登りたいではないと思います。きっと「こんな誰もいかなそうな道を走ってみたいなあ」という気持ちから入る人がほとんどでしょう。
そんな人にガチのオフ車は不要です。例えば最強のオフ車といえば今はこれ
WR250Rです。お値段75万円。スペック上最強のオフといえます。
ですがこのパワーと性能を使いこなすには、それなりのテクニックが必要です。それよりもまずは「オフロードって楽しいな!」と感じられるバイクが最適。
オフの楽しさを感じるには足つきが重要です。足つきが良ければ転倒の恐怖が少なくなり「バイクはこかしてナンボ」と体に染みつくことでしょう。
「足つきのよいオフ」といえばセロー225シリーズでした。
一度乗せてもらったことがあるのですが「軽量で、足つきがいい」ということがオフ車で重要なのがよくわかります。こりゃ使いやすい。
ただ、足つきジャンルなら今はコレ。
カワサキ KLX125
カワイイ見た目だけじゃなく、本格的な林道でも使えるコンパクトオフ。その足つき性により
「下手なフルサイズより速い」
と呼ばれている名車です。
7.メンテナンスと安心感
オフ車に乗ってずいずい山の中に入っていくと
「もし、バイクがここで止まったらどうしよう?」
と考えることがあります。もちろん2人以上で行くのがベストなんです、ただ林道アタックなんてキワドイ趣味のある友人がいて、かつ同じ休みが取れるなんて奇跡に近い確率なのです。
すると自然に「ちょっとだけ」と一人で山に入るでしょう。そこで上記の不安が心をよぎるわけです。
もちろん毎日のメンテナンスをしなくてはいけません。それでも専門家でない限り(時には専門家でも)原因不明のエンジンストップなんてあるもの。
カワサキのKDXという古いバイクでは5万キロでエンジンが壊れるといわれ、ヤマハのランツァの初期ロットには仕様でエンジンが壊れるものがあったといわれています。
突然のエンジンストップが命にかかわるオフ車だから、信用のおけるメンテしやすいバイクを選ぶべきです。
その視点からやはり新しめのバイクであることがベターです。走行距離もなるべく少ないもの、そしてフルモデルチェンジ後の初期ロットではないもの。
メーカーは試行錯誤を繰り返し、壊れにくいエンジンを作ってきました。その性能は20年前からかなり上昇したと思います。じゃあ、その視点から最強のオフロードバイクはどれなのだ?と考えたら。
クロスカブ110なのです。なんちゃってオフロードともいわれていますが、確かにエンジンガードぐらいは付けたほうが良いかもしれません。
ですがクロスカブの魅力はそれがカブであるということ。世界一売れているバイクのエンジンですから、信用性は抜群といえるでしょう。
走破性はあまり期待できるものではないかもしれません。川を渡ったり、丸太を乗り越えたり、崖を登ったりはできないでしょう。
でもしますか?そんなこと
砂利道をまったり流すだけで気持ちいじゃないですか。その途中で変な丘を見つけて、それに上って
「わはは」
と笑うのが楽しいんじゃないですか。むしろ道具を選ばずそれをやるのがカッコいいのです。
「あの林道の奥はどうなっているんだろう?」
という好奇心を満たすなら、カブで十分です。丸太があれば持ちあげて乗り越えればいいんです。崖があるなら引き返しましょう。
そこから先はカブの性能を100%使い切れるようになってから。カブの性能を使い切れる人ってかっこいいですよ。
まとめ
オフ車は面白いです。オフ車にのれば世界が変わります。山を見れば「登れるかな?」と考えるし、地図を見れば「何のためにあるの?この道」と興味がでてつい出かけてしまいます。
でもなによりオフ車が楽しいのは「技術とともにどんどんオフ車のことが分かってくる」ことです。アクセル開度、トルク、重量、壊れやすい所。それこそが最強のオフロードバイクです。