今年狙っていたニペソツ山。東大雪にある奥深い山だ。日帰りは無理、と思っていた。ので、テント泊の準備をしていたのだけれども、ヤマレコでしらべると日帰りしている人がいる。
どうゆうことか。日帰りって、林道が壊れてしまった16の沢コースのことを言っている?と思ったが、幌加温泉コースから日帰りしている人がいる。
幌加温泉コースは長く、地図によると道も不明瞭。だが、早朝出発すれば今の自分なら何とかなるかもしれない。道はGPSたより。夜勤明けに移動してしまえばいける。
よし、行こう。石狩岳と迷ったが、石狩は音更山と1泊でやってみたい。
まず、ニペソツをやってしまおう。二ぺを足元に踏めば、次のレベルに行ける気がする。
夜勤明け、3時間ほど寝る。起きてだらだら準備する。昼過ぎに出発した。夕方前に、楽勝で登山口についた。ドライブが楽しかった。
鹿に誘導されるように駐車場に入る。バーナーでウインナー入りカップラーメンを食い、寝る。楽しみで寝付けない。ブログを書いておく。
2時30分に起きた。3時出発。ニペまで12㎞!まだ暗いからヘッデンをつける。かなり歩きやすい林道だとおもったら、2㎞ほど歩いて広い駐車場が。なんとここが最短のスタート地点。
どうやら、幌加温泉コースは歩く人の増加により、かなり整備されてる様子。それから先も本当に歩きやすい。100名山のようだ。隠れ100名山(深田久弥が編纂まえに二ぺをしっていたら100名山にいれたのに!と後悔している)と言うだけの事はある。
先行している人にあう。2泊するというその人は「雪渓があるから楽なんですよ」といった。後に帽子をロスとして、その人に拾ってもらっている。
色んな花を見ながら登る。雪渓がきた。こののぼりがきつく、急だった。ロープが張っている、これがないと、転げ落ちそうだ。
天狗平に登った。キャンプサイトが何個もある。ここはいいなあ、ここで1泊するのは楽しそうだ。なにより、二ぺが見える・・はず。
ガスっていて、そろそろ見えるはずのニペが見えない。これには残念だった。登頂よりも、むしろニペの雄姿が見たかった。
一度天狗平を折り、山頂まで1㎞!の看板を過ぎる。さあ、ニペへ上るぞ!と気合いを入れるが、長休止。さすがに疲れている。
だから、誰もいないニペ山頂にたどり着いたときは叫んでしまった。誰かいても叫んでいたかもしれない。ながい、ながい道のりだった。
ドローンを飛ばしながら、晴れ間をまつ。スッキリとはいかないが、なんとか絵はとれた。
帰りも長い。下り始める。と、晴れた。もお!とドローンを再び取り出し、飛行させていたら登ってくる人が。「ドローンっすか!」と興味津々。ありがたいが、あまり深くつっこまないでね。
天狗平を過ぎたあたりで、ハイドレーションの水が無くなる。これにはちょっとキモが冷えた。さすがのロングコースだ。1.8Lでは9時間ほどでなくなってしまうのだ。たとえ、曇っていても。
雪渓を滑り降り、なだらかな場所は走る。
足がぼろぼろ。それでも歩き続ける。
12時間以上歩き続けている。
水場にたどり着いた。汚いかもしれないが、少し飲んだ。
歩いた。歩いた。歩いた。
上の駐車場まできた。座り込み、ケータイで漫画を読みながら長休憩。すると2人組が下りてきた。ドローンについて話す。帯広の2人組だという。
2人組に助けてもらって、下まで行こうか考えた。だが、やめよう。最後まで自分の足で下る。それでこそ、ニペをやったといえる。
可能な限り、最後の力で走った。体がバラバラになりそうだ。
車に帰ってくる。
最低限の着替えをして、車に座り込む。
まだ明るい。16時半だった。万歩計は4万ぽ以上。
夕焼けに照らされた東大雪の山々の間を走って帰った。