モトハチ(元蜂の宿管理人のブログ)

閉鎖したライダーハウスの元管理人のブログです

裁判傍聴記 : 残金29円の41歳

ライダーハウス蜂の宿管理人のノザワです

この記事は裁判傍聴の体験記になります。

傍聴を「ゲスな趣味」と捉える人は少なくありません。

言い訳はしないけど、そうゆう人は「高度な文化人」であると思います。

法や警察は当たり前に存在していて、自動的に自分を守ってくれている。

そんな感覚でいられることは、とても高度な文明社会にいる証拠でもあります。

もちろん法や警察が働いているのは、日本が立派なシステムをもっているからであり、そうでない社会も多く存在します。

歴史を見てみるとヒットラーポルポト、見ようによってはドゥテルテ大統領だってそうでしょう。

偏りすぎた正義が、ごく少数の有力者によって執行されてきたのです。

そうならないためにも多くの「目」が必要です。 民主主義を掲げている社会において、もっとも強力なものが大衆の監視と言えるでしょう。

かつてはマスコミがその代表だったと思いますが、ネット社会の現在ではより個人の目が重要になってきたと思います。

かたくるしくなりましたが、今日もゲスっぽく裁判傍聴に行ってきました。

 

天気が良いから裁判所に行こう

 

9月の気持ちよい天気でした。

そしてライティングの仕事が転換期で、ぽっかりとやることが無くなってしまいました。

だから運動するか、文章力を上げるトレーニングをしたいと考えたのです。

あまり遊ぶ気にはなりません、なぜなら数か月後には無職確定の観光業だからです。

稼ぐか、そうでないなら稼ぎの種を見つけなくてはいけません。

ただバイクに乗りたい、その条件を満たすのは・・・・

と言うことで今日も裁判傍聴に行って、ここでしか見れないドラマを見よう。

そしてそれをわかりやすい文章にしてみようと思ったのです。

 

ウナギのかばやき3200円を窃盗

今日も窃盗の裁判でした。

身長が高く、骨太な体格の41歳男性が被告です。

犯した犯罪は「生協で3200円のウナギのかばやきを万引きした」というもの。

正直、私は「しょっぼー」と思いました。

もちろんそれだけで裁判になるはずもなく、被告はかなりの万引き常習犯でした。

2年前に仕事を辞めた時に捕まり、検察に「もうしません」と誤って不起訴。

今年の2月にもホーマックでやらかし「次やったらどんな罪も受ける」と宣言。

でもやってしまいました、今回は3日連続の万引きでかなり悪質。

今年の

7月21日に500mlの缶チューハイ6本、

22日午前に

缶チューハイ6本、16個入りタコ焼き、10本入り焼き鳥、

午後に

5食入りラーメン2袋、ラーメンスープの元7食、マグロ1パック。 

そして23日のウナギのかばやきで捕まり、起訴されました。

捕まったとき所持金は29円、銀行預金は150円でした。

 

ナマポと母親の年金で生活

被告は2年前に仕事を辞めて、生活保護と母親の遺族年金で生活してます。

それは過剰支給ということになるのですが、月20万ほどの収入があったようです。

「それでどうしてお金が無くなるの?」

「酒とか、TVを買ってしまいました」

住居である上富良野から旭川へ飲みに行ったり、8万円もするTVを買ったりしてしまったのです。

「金が無くなったら万引きして生活しようと思った」と被告は検事に話しています。

被告は寝たきりの母親の看病で週一回病院に行きます。

そして被告も「皮膚病、腎臓、肝臓、糖尿病」を患ってます。

糖尿病は毎食まえにインスリン注射をしなくてはいけないほどで、再び仕事をすることは不可能のようです。

ただ、ここまで聞いてもあまり同情する気にはなりませんでした。

 

裁判長、猛る

被告は41歳、それでいて反省の弁は台本を読んでいるようなふわっとしたもの。

「すまなそうな感じ」でやってる感ありありです。

万引きに対する罪の意識も薄そうで、本気であやまっているようには思えません。

そこに裁判長が「っていうかさあ、こんなもんか?って思ってない?」と法曹関係者には使わないような口調で被告にぶちかましました。

「危機感なさすぎじゃないのか?」

「キミのいう「計画」って具体性がないんだよね」

「真剣にどうしたらいけないのか?って考えてないよね」

裁判長の猛りが被告に襲い掛かります。

そのまま宣告にはいりましたが、そこは普通に執行猶予が付きました。

 

まとめ

誰だって病気になるし、親が弱ることもあります。

だから真剣に考えなくてはいけないのです、被告は

「わかりませんでした」「考えてませんでした」を繰り返しました。

それでは通用しないのです、自分にあった仕事と金銭管理を真剣に考えなくてはいけないのです。

「お金ってなくなっちゃうものだから」

その裁判長の言葉は、被告を通り過ぎて傍聴人である私にも突き刺さりました。

この冬、私は真剣に考えた末フリーになります。

裁判傍聴に通うのもそのためです。

幸い(?)今週は毎日裁判があるので、できるだけ通うつもりです。

何かの「流れ」が来ているといえるでしょう

「じゃあ、流されようじゃないか」と思いました。

行きつく先はわからないけど

広告