ドローンを背負って山に行ったらヒグマに出会ってしまいました。
7月の暑い日が続いていますが、お客さんは少なくていわゆる「遊べる」日。
朝3時くらいに起きてゴミを出したら後は自由です。
ドローンを担いで登山にいきましょう、東大雪の白雲岳にしようと思いましたが、朝の空気が冷たくてバイクで行くのが辛かったから愛山渓に変更しました。
永山岳から安足間岳に登り、当麻岳から沼をめぐって降りてくるコースです。
コースタイムは8時間くらい、ドローンを背負うので大変です。
5時前に登山開始できました。
鉄のひしゃげた橋。
ガンガン高度を上げます
山が見えてきました
要煮沸とありましたが、おじさんがぐいぐい飲んでたので私も飲みました。
キンキンに冷えてうっまい!
水も補給できたので余裕が生まれました。
とにかく、花だらけ。
そして永山岳に上りました。
ドローンを飛ばしましたが、強風で恐ろしかったのですぐにおろしました。
「こんな風でも飛ぶんだねえ」
とおじさんと話します。
これからのルートを教えてもらい、頭に入れました、そしてそれが間違ってました。
愛別岳「なんどもチャレンジしてるけど、駄目だあ」とおじさん。
人一人分しかない幅の稜線を歩いて、強風の中左右が崖という道を越えないとあそこにいけないらしです。
さて、おそらく安足間岳。
ルート表示がなかったのですが、目的の山に向かって歩きます。
ここで自分とおじさんを疑って、地図で確認すればよかったです。
当麻岳は2000m以上あるはずなのに、結構低いなあ?
と、本気で信じきってました。
大塚というやまです、ここで道が完全になくなってます。
自然に植物がはげて、道のように見えたのです。
ただ、ここで気づいて引き返せばよかったです。
あっちかな?と思ってますが、どうみても小塚です。
後ろにそびえているのが当麻岳。
「沢に下りて下れば、すぐに登山道にあたるはず」という甘い考えでした。
ヒグマ遭遇ポイント。
100m先の笹薮がざわっとゆれて、でっかい頭が出てきました。
わああああ!と鈴を鳴らす前に脱兎のごとく逃げてくれました。
それから熊に発見されやすい雪の上を歩いて沢を下ります。
何度か後ろを振り返りましたが、追っては来ないようです。
ドローンを飛ばしてルートを探せれば、もっとはやくに復帰できたと思いますが、そんな精神的余裕はありませんでした。
結局、またハイマツを漕いで進みます。
体力的にも精神的にも限界が見えてきました。
「ああ、ヤバイ」とあきらめそうになりました。
「イヤイヤ!こっちに行けば間違いないし!」と奮い立たせます。
しばらく藪こぎして、また下に下りると
人の足跡、登山道です。
全身の力が抜けると「へたり」と座り込みました。
そこにマッチョな山岳会の人がやってきたので「登山口はこっちですか?」と聞きます。
いろいろ話してルートを教えてもらいました「もう迷うことは無いですよ」という言葉がうれしかったです。
「僕もこの前そこの沼のほとりで2頭の熊に会いましたよ~」
やっぱいるんだ、この山。
「でも知床のヤツと違って、大雪のは逃げてくれますからね」
という話をしました。
マッチョなお兄さんとわかれて、その沼へ向かいます。
それが正しいルートだからしかたありません。
手に持った熊鈴をリンリンならしながらひたすら歩きます。
本当に美しいところです。
向かって右が正規ルートの当麻岳です。
2000mある山ですから当然他の山頂と肩を並べています。
自分の思い込みが以下に危険か身にしみた事件でした。
精神的な余力があればドローンを飛ばしてましたが、「生きて帰る」ことが第一目標になったのでまた今度にします。
午後4時半に登山口に帰りました。
10時間以上行動していたことになります。
温泉に入りたい気持ちを押し殺して、急いで美瑛に帰りました。
なぜなら肉屋さんとの約束があるからです。
美瑛に帰り、ビールを解放して、居酒屋を閉めて飲んでました。
肉屋さんが来たのでお金を払い、今日やるべきことは終了です。
まとめと反省
迷ったとおもったら引き返せ!
どんなに情報を仕入れても間違っていることがある、思い込みには勝てない!
つやつやの黒い毛のヒグマが美しかった。
そのヒグマがいる環境も美しかった。
愛山渓はすごいところです。
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