「BBQしましょうよ!」
と職場の人に誘われて、我が家の庭でBBQをすることになった。BBQのために芝をまいた庭なので、望むところだった。当日は朝からガーデンチェアを買いに行ったり、簡易なテーブルを作ったりしていた。夕方になり人が集まりだし、なんだかんだで6人ぐらいが参加してくれた。
酒も肉も適当に買い込んだので問題ない。さらに問題ないことに、我が家から徒歩1分でセーコーマートがある。俺は誰かが買ってきたストロング缶や適当につくられた混ぜ物をぐいぐい飲みながら正気を失っていた。
次の日。胃の中のものを吐くために起きた。昼から仕事である。こりゃまずいと風呂桶に湯を落とす。なぜならそれぐらいしかできることがないからだ。なんどもトイレで吐くが水しかでない。水を飲んでも吐く。昨日の記憶があいまいだ。誰かがアスファルトの上でおしっこをしていたような・・・ううっ!気持ちが悪い!
2度風呂に入り、1時ごろにはなんとか水分を飲めるようになった。仕事にはぎりぎり間に合った。
こんなバカな酒を飲むのも久しぶりだ。45歳の体にはこたえるなあ・・・ということで断酒にはいった。
といってもそれほどアル中でもないので、普段なんとなく飲んでいるレモンサワー(通称富男汁)をCCレモンに変えるだけなのでつらくはない。気が付くと10日断酒していた。
禁を破ったのは昨日、嫁と休みがかぶり「じゃあ、どっかいく」と富良野方面へGO。富良野市内でメシを食って十勝岳スカイラインに登り、白銀層でまったりと風呂にはいった。天気が良く、いくらでも外にいれる気温で、かつ露天風呂はイー感じにぬるくていくらでも入っていられたのだ。
そこで昨日の夜勤のことを思い出した。「あの姉ちゃん、いい女だな、つっこみてえな」と深夜2時にベトナムからきた職員へのワイ談をするおじいちゃん。それに「バカヤロウ」とつっこみをいれつつ、俺は充実感に満たされていた。その充実感は、こう、人を笑わすって最高だな、というものだ。いろいろ問題はあるかもしれないが、とにかく笑顔ってのは最高だ。こんな人生の終局地点であっても、笑顔は最高ってのは変わらない。
うん、そうだ
と風呂につかりながら思った。人を笑顔にさせること、それを目的に進もう。いにしえの船乗りがシリウスを頼りに進んだように、おれは笑顔をシリウスとしてそれに向かっていこう。「シリウスに向かって飛べ」とナウシカが言っていたように、笑顔=シリウスでやっていこう。それがお前のシリウスだ。
しみじみとした感慨につつまれ、白銀荘を後にした。初夏のスカイラインを下りていく。風が気持ちいい。俺は嫁に「晩飯はBBQにしようか?」といったら「同じこと考えてた」と言われた。さすがにビールは欠かせなかった。