フォークリフトの免許は4日間にわたって行われる。今日は最終日だった。実際に荷物を持ち上げて、爪の先でちょっと台からずらして、爪の奥まで刺すという動きが最大の難所。5名の受講者のうち、未経験者3名はこのコツがつかめないで苦労した。
真横から見れば簡単なんだけど、運転席は真正面。そこから15㎝ぐらいの幅を感じ取るというのが大変だった。身を乗り出してみるが、微妙に見えない。いろいろ試行錯誤する、経験者にコツを聞いた。
「影ができるでしょ、それがヒントになるから」
台の上からは工場の蛍光灯が照らされており、その影が真下に落ちる。それを目印にするとやりやすいとのことだ。やってみた。できた。
これは、実際の仕事ではつかえないテクニックではある。影が出来る条件など限られるからだ。もっと恒常的につかえるスキルを磨くほうがいいかもしれないし、なんだかズルっぽい。と、最初は思った。
だけど、世の中そんなものなのかもしれないのだ。
隠れたコツを発見しよう
この前の球辞苑でサードコーチャーの話になった時。野茂のフォークのクセを話していた人がいた。「野茂はね、フォークの時に、一瞬手首をひねるんですよ」と、きっと誰も知らない癖を見抜いていたのだ。
それは、正々堂々とした戦い方ではないのかもしれない。だけど、世の中そんなものなのだ。本気になればなるほど、なんでもありになる。
コツをつかむこと。それが大切だ。フォークリフトだったら、その現場の見極めポイントなどを造ればいい。目印はいっぱいある。それをやるのはただの努力。こんなことはありふれているはずだ。
上司の機嫌が悪い時の特徴。お客さんの大好きな食べ物。ライダーハウスの営業方法。ライターの提案のやり方。ザンギの揚げ方。決して本には書かれていない、コツが世の中にはあふれている。
だからいろいろやってみるべきだし、その道の上手にやり方を聞くべきなのだ。こっそりと、下手に出て。困った感じで教えを乞えばいい。