文章力の本を読んできました。今までで10冊ぐらいです。共通するものは結構あって、わかりやすい文章を書くコツというのはそんなにいっぱいあるわけではないようです。
そして今日。究極にわかりやすくて、その人しか書けない文章を発見したのです。
新しい文章力の教室を読んだ
文章力本のなかでも有名な一冊です。
確かにわかりやすい。この本が人気なのもわかります。中でも好きだったのが
「わかりやすい文章を書くのはサービス業」
いい言葉です。
井上ひさしの作文教室を読んだ
そしてこれ
井上ひさしは作家ですが、この本をよむと言語学者だと思ってしまいます。
文章力の本によくある長期記憶と短期記憶の話が書いてありました。短期記憶を圧迫しないように注意する。人が持っている長期記憶を上手く使う。
例えば、いまこの文章が意味を伝えているのは、読者に日本語能力があるからです。それが長期記憶。それに比べて短期記憶というのは実に小さい、海と水たまりの差があるのです。
ちょっと前に読んだことすら忘れてしまうのが短期記憶、それを圧迫しないようにするのが作文の技術です。悪い例
明治7年12月27日福島県岩代国福島村(現福島市)に福島裁判所が設置され,福島県一円を管轄した。明治8年5月4日福島に上等裁判所が設置され,福島,磐前,若松,置賜,水沢,酒田,山形,宮城,岩手,秋田,青森の11県(現在の東北6県)及び北海道函館裁判所管内を管轄したが,同年8月12日福島上等裁判所は宮城県(宮城上等裁判所)に移された。明治9年9月13日府県裁判所が廃止されて新たに全国に23の地方裁判所が設置され,福島,山形両県を管轄する裁判所が米沢に置かれた。同年12月7日米沢裁判所が福島に移されて福島裁判所と称され,福島,山形両県を管轄した
情報を詰め込み過ぎて「あれ?なんの話だっけ?」となってしまいます。もっとシンプルに、それでいて筆者にしか書けない文章が良い文章なのです。
それでは今日発見したインターネットでもっともわかりやすくてオリジナリティのある文章を紹介します。
ラッキーアイテムになるもの、ならないものを占い師さんに聞いています
セブ山:
うんちもおしっこも?
真木あかり:
うんちもおしっこも。
セブ山:
なんで?
真木あかり:
汚いから
私はここまでシンプルに、かつ独特な表現で意味を伝える文章は読んだことがありません。「なんで?」「汚いから」という極限まで肉をそぎ落とした会話が芸術的でした。
つまりは知ってることをドヤ顔で語るのはカッコ悪いし伝わらないということです。