裁判傍聴に行ってきました。
旭川程度の人口では、そんなに毎日裁判があるわけではありません。
でもまあ、だめもとで。
とライダーと二人で突撃したら2本もみることができて、面白かったです。
旭川の地方裁判所にいって「刑事裁判の傍聴をしたいです」と受付に言います。
「まあ、無いだろう」と思っていたら、今日は3件もありました。
うち2つを傍聴しましたが、どちらも大変面白くタメになりました。
「コーヒーしかなかったけど、いいかな」
一つ目はもう開廷していて「昏睡強盗」とありました。
そっと法廷にはいると被告が座ってます。
睡眠薬で相手を眠らせて、その隙にサイフから1万5千円盗んだ罪です。
「しょぼいなー」と思っていたら、どんどんショボくなっていきます。
被告は女性、おそらく20代で化粧が生えそうな感じです。
Gパンをはいてうつむいているので良くわかりませんが、きっとなかなかの美人なんでしょう。
ただ彼女は精神的に問題があって、障害年金と生活保護を受けています。
その収入は月12万ほどですが「公共料金が支払えない」ほどだったようです。
うーん、いろいろ突っ込みたいですが、犯行に及んだ理由として「貧困」をあげています。
困窮した彼女は「テレクラ」でお小遣いを稼ぐことにします。
ただ、テレクラが性的関係を持つようなものとは思っていなくて、デートクラブのようなものだと「思ってた」らしいです。
テレクラで男性と知り合った彼女は、カラオケで話すのですがその日はホテルに行きません。
なぜか次の日待ち合わせて、ラブホテルに行きます。
自転車で公園まで行き、そこで男性と待ち合わせて車でラブホに行きました。
そこで男性が湯船にお湯を張っているときに、睡眠薬入りコーヒーを造ります。
そのコーヒーの味なのかどうかわかりませんが、男性は「おかしいぞ?」と思います。
「なんか入れた?」とでも聞いたのでしょうか、彼女は「砂糖」といってコーヒーを飲ませます。
で、男性はそのコーヒーを飲んでしまいます。
薬が効く間、30分ほどお風呂に入った彼女、その間にぐっすり眠ってしまった男性。 彼女は男性のサイフから1万5千円を抜きとり、ラブホテルを後にしました。
覚醒した男性は彼女が金を取ったことに気づきます。
怒り心頭のまま「待ち合わせの公園に行く」事を思いつきました。
すると、彼女が乗ってきていた自転車がまだあったのです。
そこで警察に行き、警官とともに自転車の張り込みをして、帰ってきた彼女を逮捕しました。
被害者の男性は「しっかりと罪を被せたい」と言います。 まあ、睡眠薬を飲まされて金を抜かれたのですから、気持ちはわからなくも無いです。
最終的には示談金10万を受け取って和解してます。 彼女も初犯ということもあって、執行猶予が付くでしょう。
しかし、まあ、突っ込みどころが満載でした。
「でも、買ってんじゃん」
自転車の張り込みに付き合わされた警官の声が聞こえてきます。
被害者の男性は「金銭を使って、女性と性的交渉にもっていこうとしました」。
立派な買春であり、犯罪行為です。
コーヒー飲むなよ
テレクラで知り合った女が、ラブホテルで差し出すコーヒーを飲む。
それも知り合ってから一晩すぎたあとです。
やばいなー、そりゃ「なんか入れた?」って聞きますよ。
「砂糖だよ」って女の言葉を信じるなよ、純粋か、ピュアなのか、買っておいて。
「お金が無くてやりました」
被告の女性は公共料金も支払えないほど、生活に困窮してました。
そして昼職など(そこらへんのバランスはいろいろあったようですが)で月12万以上の収入があったということです。
「これで・・・困る?」と裁判長が聞きました。
たしかに、月収がそんなにあるなら旅人だったら遊んで暮らせるでしょう。
自転車wwww
さて、逮捕の原因になった自転車です。
心理として、自分とつながりのある自転車は即効で処分しそうですが、悠々と数時間後に取りに戻ります。
おそらく訴えられないと踏んでいたのでしょう。
私はこの自転車を中心とした、被害者、被告、警察官、の絵ヅラを想像するだけで面白くなってしまいました。
このとき、被害者は怒っており「厳重な処罰を」と警察官に話していたようです。
そのときの警察官の心情を察します。
「計画性はありませんでした」
ここまでの手際のよさを見せ付けながら、計画性は無く突発的な反抗だったと被告は主張します。
「ウソつけ、男性は買春した手前、訴えることができないと思っていただろ」
のようなことを検察が言いましたが
「もし計画性があるなら、捕まってないと思います」
と舐めた答弁をかましてました。
まあ初犯ということでしたが、絶対過去にいっぱいやってるって。
父親の登場
さて、弁護側が証人を呼びました。
被告のお父さんです。
かなり痛い空気が法廷に流れました。
うわーいやだなあ、被告として証人に親が来るのも、証人として法廷に入るのもいやだなあ、心底いやだ、アレをやるくらいなら堀の中にはいるなあ。
テレクラで捕まえた男に睡眠薬を飲ませて金を奪った娘の父親は「ハッ」とか半笑いしながら弁護士の質問に答えます。
「娘さんには、これからどのようになって欲しいですか?」
「ハッ、そりゃ親なんだから反省して立派になってほしいです」
のような答弁。 被告とこの事件は、この親ありきで生まれたんだろうなあ。
まとめ
示談金を受け取り、親が更正の手助けを約束しているので、執行猶予は付くでしょう。
登場人物がクズばかりでしたが、最終的に困った人はだれもいないハッピーエンドのような事件でした。
それからランチを食べて、プールに行って時間を潰し、午後の裁判傍聴をしにいきます。
その事件もなかなか味わい深いものでしたが、とりあえずここで一度切りましょう。
テレクラで知り合った男に睡眠薬を飲ませて金を盗む女。
買春しようとしておいて、警察に訴える被害者の男性。
娘がこんなになっちまっているのに、なぜか緊張感のない父親。
その三者三様が完成度の高いコントのようで面白かったです。
また、父親の教育というものがとても重要であると学ぶことも出来ました。
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