モトハチ(元蜂の宿管理人のブログ)

閉鎖したライダーハウスの元管理人のブログです

裁判傍聴記:覚せい剤と親の愛

ライダーハウス蜂の宿管理人のノザワです
裁判傍聴の記事になります。
今日も「ゲス」と言われるのを覚悟して裁判傍聴に行きました。
午前中に合ったその裁判は「覚せい剤取締法違反」です。
その法廷で私が聞いた内容は、心の奥にズシンと響くものでした。
これを読んでいただいた人になるべく伝えたいと思っています。
 
覚せい剤の裁判は以前も見ていて、割とまあ軽いものでした。
被告も明るくて、裁判もこじれることもなく終わりました。
なので今回もそんな感じかな?と思い法廷に入ると「真面目」な感じの人がやってきました。
細身で坊主、目線は伏せつつもまっすぐで「ああ、反省しているんだ」と一目でわかります。
自分のやらかしたことを深く反省し、鉄の決意を胸に抱いている顔です。
30歳、型枠大工。
証人には被告の母親と社長が来ていて、社長曰く「真面目で仕事ぶりはとてもいい」ということです。
「そんな人がなぜ?」と私は思いました。
被告が初めて覚せい剤に手を出したのは20歳のころです。

はじめてのシャブ

中学を卒業して働き始めた被告は20歳のころに「知人から勧められて」シャブに手を出します。
それから週一で摂取して、5年前に捕まっています。
再び手を出してしまったのは今年の7月に妻とケンカをしたからでした。

離婚したからシャブ食おう

被告には12歳になる娘がいて、妻のお腹の中には次の命が生まれるところです。
ただ妻は離婚を望んでいます、なぜそうなのか?は語られませんでしたが「絶対に離婚したくありませんでした」と被告。
家族を養うためにも仕事に没頭する決意だったようです。
ですが妻の離婚の意志は固く、結局は8月に離婚は成立してしまいます。
そのことに被告は深く傷つき、「名前の言えない知人」から覚せい剤をもらってしまうのです。
 

どうして名前が言えないのか?

 
被告は娘のことを愛していて、仕事で遠方に行かなくてはいけないときは母親に面倒をまかせています。
母親も孫娘のことをかわいがっており、被告のもとに「毎日面会に行ってます」。
娘との関係も良好で「今回ばかりはパパを許してほしい」という減刑嘆願書を裁判所に提出してます。
シャブの入手先が言えないのは「娘に影響がでるといけないから」
つまり名前を出して、売人に恨まれ、娘に危害を加える可能性があるからということです。
 

仕事のできる人

 
そんな被告にとって、妻と今度生まれる子供のことはとても大切な存在だったのでしょう。
その関係が歪んでしまったとき、被告は仕事中に飲酒運転で事故を起こしてしまいます。
そのことについても社長は「叱りつけました」がクビにすることはありませんでした。
とにかく被告については「仕事ができる貴重な人材」といっています。
 

母親の愛情

 
被告は一人暮らしですが、娘のこともあり母と3人で生活する予定です。
ただ母親は20年前に覚せい剤をやっていました。
もうやってない?という検事に「自信をもって大丈夫です!」と答えます。
被告は覚せい剤のことで本当に苦しんできたのでしょう。
親が手を出し、自分も手を出してしまう。
そのことで娘が危害に及ぶかもしれません。
今まで見たどの被告よりも「ビシッ」としているのは、そのような背景があったからでしょう。
そんな被告をだれよりも厳しくどやしつけたのは裁判長でした。
 

あふれる裁判長

 
「5年前ってことは娘は7歳だよね?」
「その時有罪を受けて刑務所に入ったら、娘はどうするつもりだったの?」
「で、今回は飲酒運転で事故も起こしてるよね?」
「なんでそんなことするの?」
「なんでまた覚せい剤やるの?」
「大切な・家族が・いながら」
「なぜ?」
「どうやったら覚せい剤やめれるの?」
「病院行けば辞められるの?」
「意志は強くなるんですか?」
「今後やらないという保証はどこにあるの?」
・・・娘の為に変わります
「だって娘さん昔からいるでしょ?」
「なんで・また・やるの?」
「犯罪やったら家族は守れない」
「その自覚が抜けているんじゃない?」
 

まとめ

 
これまで見た中で、もっとも裁判長が怒っていました。
私は「これは、愛だ」と感じました。
ただ、検察としても入手先を隠していることは暴力団の資金源にもなるので、厳しい厳罰を与えざるとえないということで2年の求刑です。
 
きっかけは母親の20年前の覚せい剤だったのかもしれません。
どんなに強い意思でやめたと思っても、一生ついて回るのです。
その影響は自分だけでなく、家族や周りの人たちにも及びます。
 
覚せい剤は恐ろしい
 
そのことがわかったとおもいます。
どんなポスターや標語よりも、今回の裁判のほうが教訓になりました。
 

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裁判傍聴記 : そのウソほんと?

ライダーハウス蜂の宿管理人のノザワです

裁判傍聴の記事になります。

今回の事件は「有印私文書偽造」というものでした。

車で追突されたときに無職だった被告が、「休業補償」をだまし取った犯罪です。

傍聴していて何度も思うことなのですが、今回も

「こんな人がいるのか!」

と衝撃を受けました。

世の中はいい人ばかりではありません、そのことを知ることができ勉強になりました。

 

※※※

 

私はライター修行の為に、これからできるだけ裁判傍聴に行くことにしています。

ゲスなことかもしれませんが「言葉」を生み出すには人間の渦にもまれることが重要であると思ったからです。

仕事や登山に没頭することもできるのですが、やはり人間観察こそがこの道には必要なのでしょう。

「有印私文書偽造」の裁判はその最もたる例になりました。

 

「あ、これナニワ金融道でのってたやつだ!」

事件は昨年の12月に起きました。

被告の乗っていいたレガシィにクラウンが追突したのです。

被告はその時から整形外科に1週間通い、それから自分の意志で整骨院に転院しました。

それから103日間の分79万円を「休業補償」としてあいおい損保に請求したのです。

実際に被告は無職であり、知人の会社で働いていることにしました。

そのことが発覚したのは、被告が別件の交通事故をやらかしたからです。

 

別件でやらかした交通事故の調書に「無職」と書いてしまったことから、被告の有印私文書偽造が発覚したのでした。

つまり損害保険会社に請求した休業補償には「会社員」として働いていると言い、自分が事故を起こした時には「無職」であるとしたのです。

この事故が無かったら表に出てこない事件だったのでしょう、なにせ重要なキーは被告の体の内側なのです。

他人の体の内側ことですから「ここが痛い」といえば、それがウソかどうか証明することは難しいのでしょう。

たった1週間で整形外科から転院したのも「治療が合わない」という言い訳です。

事故から9か月が経過した現在でも「後遺症がのこっている」といっています。

私は「ああ、これナニワ金融道で見たやつだ」と思いました。

被告の症状がウソっぽいのは誰が見ても明らかです。

病院の医者によれば「3週間で完治する」という症状だったようです。

だからすぐに整骨院に変えたのでしょう、大柄で押しの強い被告がゴネればいくらでも整骨院に通えたはずです。

それでも79万の請求にしたのは「税金がかかって来るから」ということです。

ナニワ金融道でも事故られたヤクザがごねまくって、家族が崩壊するまで書かれています。 その犯行は知能的であり、素人が立ち向かえるものではありません。 ただ、今回の件がマンガと違うのは、ゴネる先が損害保険会社というプロだったことでしょう。

 

あいおい損保は味方にすると頼もしいが敵に回してはいけない

今回被告が請求したのは79万でしたが、実際に払われたのは17万です。

その前に被告の偽造が発覚したので、実際の被害額は17万といっていいでしょう。

ただ、被告は保釈金10万を保釈支援協会から借りて保釈されていますが、17万の被害を弁済していません。

「はやく仕事をして被害弁償をしたい、ただ裁判があるから就職活動がしにくい」

という「ハロワに着ていく服がない」レベルの言い訳をしています。

38歳で赤茶髪をクリロナ風にした色黒がっちりな男性が言う「就職活動」ってなんでしょうか?

被告は被害者であるあいおい損保を舐めているのではないでしょうか。

だまし取った17万はネットで馬券を買ったりして使っちゃったので、あいおい損保に払う金がいまはないということです。 ライダーハウスでアルバイトをすれば1か月で稼げる金額でしょう。

被告人の妻が証人に立ちましたが「生命保険の営業の仕事では17万の弁償は難しく、借りることもできなかった」と言います。

被告曰く「先に保釈金を払ったのは、友達に弁済金を借りるため」ということです。

この子供のような言い訳をくりかえしている男に猛っている人たちがいました。

もちろん検事、そしてあいおい損保です。

傍聴席にはスーツ姿の男性で8割埋まっています。

私は前列の証人の横に座っていたのでわかりませんでしたが、後ろに座っているスーツの男たちはおそらくあいおい損保がわの人たちでしょう。

その怒りを代表した検事が最初の攻撃に入りました。

事故の相手とは知り合い?「いえ」

17万以上は弁済しない?「はい」

でも、反省文では『全額返済する』って言ってるよね?

「え?そんなこと書きました?まあその時はそんな気持ちだったのかもしれません」

ここら辺から被告が焦ってきたのがわかります。

聞かれてもいないことをべらべらしゃべるのです。

「この裁判は17万に対してのものですよね?」

「治療が合わなかったんですよ、今でも後遺症があって自費で整骨院に通ってるんです」

「1週間しか行かなかったけど、リハビリで触られてすごく痛かったんです」

「整形外科の先生にはそのことは言いませんでした」

 

いくら自分の体のことだからって、プロの医者を否定してしまったら説得力がありません。 それから弁護人のスピーチがあって

被告は反省している、17万は高額であり、被告は被害者と話し合って被害金を支払うつもりである」という言葉の直後に被告の最後の言葉

「あいおいに聞きたいです!いくら払えばいいのでしょうか?」

といって裁判は終わったのでした。

法廷は「ウソだろ・・・」という空気に包まれます。

いくら立証できないウソだといっても、ここまでやったらどうなるのでしょうか?

反省してないし、全額払う気はさらさらなさそうです。

裁判長の言葉を遮ってまで、自分の言いたいことを発言した被告。

最後の発言は、普通だったら「反省してます、もうしません」ということを言う場です。

でもカッとなってしまったんでしょう。

これが検事とあいおい損保のシナリオだったら「おそろしい」と思いました。

 

感想:その自信はどこから来るのだろう?

バレなければ「ウソ」ってついていいのでしょうか?

その自信はどこから来るのでしょう?

浅い知識ですが心理学用語で「人生脚本」というものがあります。

英語では「ライフ・プロトコル」といい、自分の中にあるどうしても取ってしまいがちな行動パターンがあるということです。

被告だったら「バレなかったらウソはついていい」というプログラミングがされているのではないでしょうか。

それは子供の時、どこかで身に着けた「必勝法」です。

その威圧的な外見と、磨き上げたウソの力を使えばたいていのことは通ったのでしょう。

今回被告が「働いている」ということにした会社は「本当は自分が金で買った会社だと思ってた」といってます。

裁判長の質問に「その社長とはグルなの?」と聞かれ「知りあいですが、グルではない」と答えています。 検事が「事故られたクラウンとは知り合い?」と聞いたのも、おそらくウラではつながっているという推測?があるからでしょう。

一番もめた反省文のなかの「全額弁済」というポイントも「自分の中では~」と何度も繰り返しています。

確かに、被告の体の内側や頭の中を証明することはできません。

ただ、裁判ではそれは通用するのでしょうか?

きっと裁判長の心象は最悪です、被告の「必勝法」もあの裁判長には通用しないでしょう。

求刑は2年、初めて判決が気になった裁判でした。

 

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恵まれた季節

ライダーハウス蜂の宿管理人のノザワです

最近とても天気がいいです。

バイクに乗っていてとても気持ちのよい季節といえるでしょう。

ライダーハウスも収穫のバイトに行く人がいたり、北海道を回っている人が来てくれたいと恵まれています。

そんな時期も後数週間でパタリと終わってしまうのでしょう。

でも、だからこそ愛おしいといえます。

桜のように、すぐに過ぎ去ってしまうから美しい。

そんな恵まれた季節を味わうためにドローンを飛ばしてきました。

 いつの間にかDJIのアプリが安定しているような気がします。

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裁判傍聴記 : 残金29円の41歳

ライダーハウス蜂の宿管理人のノザワです

この記事は裁判傍聴の体験記になります。

傍聴を「ゲスな趣味」と捉える人は少なくありません。

言い訳はしないけど、そうゆう人は「高度な文化人」であると思います。

法や警察は当たり前に存在していて、自動的に自分を守ってくれている。

そんな感覚でいられることは、とても高度な文明社会にいる証拠でもあります。

もちろん法や警察が働いているのは、日本が立派なシステムをもっているからであり、そうでない社会も多く存在します。

歴史を見てみるとヒットラーポルポト、見ようによってはドゥテルテ大統領だってそうでしょう。

偏りすぎた正義が、ごく少数の有力者によって執行されてきたのです。

そうならないためにも多くの「目」が必要です。 民主主義を掲げている社会において、もっとも強力なものが大衆の監視と言えるでしょう。

かつてはマスコミがその代表だったと思いますが、ネット社会の現在ではより個人の目が重要になってきたと思います。

かたくるしくなりましたが、今日もゲスっぽく裁判傍聴に行ってきました。

 

天気が良いから裁判所に行こう

 

9月の気持ちよい天気でした。

そしてライティングの仕事が転換期で、ぽっかりとやることが無くなってしまいました。

だから運動するか、文章力を上げるトレーニングをしたいと考えたのです。

あまり遊ぶ気にはなりません、なぜなら数か月後には無職確定の観光業だからです。

稼ぐか、そうでないなら稼ぎの種を見つけなくてはいけません。

ただバイクに乗りたい、その条件を満たすのは・・・・

と言うことで今日も裁判傍聴に行って、ここでしか見れないドラマを見よう。

そしてそれをわかりやすい文章にしてみようと思ったのです。

 

ウナギのかばやき3200円を窃盗

今日も窃盗の裁判でした。

身長が高く、骨太な体格の41歳男性が被告です。

犯した犯罪は「生協で3200円のウナギのかばやきを万引きした」というもの。

正直、私は「しょっぼー」と思いました。

もちろんそれだけで裁判になるはずもなく、被告はかなりの万引き常習犯でした。

2年前に仕事を辞めた時に捕まり、検察に「もうしません」と誤って不起訴。

今年の2月にもホーマックでやらかし「次やったらどんな罪も受ける」と宣言。

でもやってしまいました、今回は3日連続の万引きでかなり悪質。

今年の

7月21日に500mlの缶チューハイ6本、

22日午前に

缶チューハイ6本、16個入りタコ焼き、10本入り焼き鳥、

午後に

5食入りラーメン2袋、ラーメンスープの元7食、マグロ1パック。 

そして23日のウナギのかばやきで捕まり、起訴されました。

捕まったとき所持金は29円、銀行預金は150円でした。

 

ナマポと母親の年金で生活

被告は2年前に仕事を辞めて、生活保護と母親の遺族年金で生活してます。

それは過剰支給ということになるのですが、月20万ほどの収入があったようです。

「それでどうしてお金が無くなるの?」

「酒とか、TVを買ってしまいました」

住居である上富良野から旭川へ飲みに行ったり、8万円もするTVを買ったりしてしまったのです。

「金が無くなったら万引きして生活しようと思った」と被告は検事に話しています。

被告は寝たきりの母親の看病で週一回病院に行きます。

そして被告も「皮膚病、腎臓、肝臓、糖尿病」を患ってます。

糖尿病は毎食まえにインスリン注射をしなくてはいけないほどで、再び仕事をすることは不可能のようです。

ただ、ここまで聞いてもあまり同情する気にはなりませんでした。

 

裁判長、猛る

被告は41歳、それでいて反省の弁は台本を読んでいるようなふわっとしたもの。

「すまなそうな感じ」でやってる感ありありです。

万引きに対する罪の意識も薄そうで、本気であやまっているようには思えません。

そこに裁判長が「っていうかさあ、こんなもんか?って思ってない?」と法曹関係者には使わないような口調で被告にぶちかましました。

「危機感なさすぎじゃないのか?」

「キミのいう「計画」って具体性がないんだよね」

「真剣にどうしたらいけないのか?って考えてないよね」

裁判長の猛りが被告に襲い掛かります。

そのまま宣告にはいりましたが、そこは普通に執行猶予が付きました。

 

まとめ

誰だって病気になるし、親が弱ることもあります。

だから真剣に考えなくてはいけないのです、被告は

「わかりませんでした」「考えてませんでした」を繰り返しました。

それでは通用しないのです、自分にあった仕事と金銭管理を真剣に考えなくてはいけないのです。

「お金ってなくなっちゃうものだから」

その裁判長の言葉は、被告を通り過ぎて傍聴人である私にも突き刺さりました。

この冬、私は真剣に考えた末フリーになります。

裁判傍聴に通うのもそのためです。

幸い(?)今週は毎日裁判があるので、できるだけ通うつもりです。

何かの「流れ」が来ているといえるでしょう

「じゃあ、流されようじゃないか」と思いました。

行きつく先はわからないけど

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