モトハチ(元蜂の宿管理人のブログ)

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上野の森美術館へ行って「怖い絵展」を見てきました

ライダーハウス蜂の宿管理人のノザワです

 

東京旅行の初日に上野に行き、博物館を見てきました。 そして同じ上野公園にある上野の森美術館に行き「怖い絵展」を見てきました。

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「怖い絵」は中野京子さんの著書です。

角川文庫でこの作品を読ませていただきました。 おすすめしてきた彼女Aが「怖い絵展やってるから、行こう!」と今回の怖い絵展を見に行くことになりました。

上野の森美術館に行くと、すごい行列です。 あまりに人口密度が高いからか、中で人が倒れて救急車が来てました。

1時間ほど並んで入場です。

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持ってきていた「怖い絵」を読みながらだったので、待ち時間はあまり気になりませんでした。

 「怖い絵」は「実はこの絵にはこんな怖い意味が隠されているんです」という内容です。 そのエピソードを読むと、人間の罪深さを感じずにはいられません。 過去には貧困や差別や宗教的な理不尽で死んでいった人間が多くいて、芸術家がそれを表現します。

 「そんな歴史があったのか」と驚かされます。 本を読み作品を見れば、今の社会は死体の上に立っている、と痛感することになるでしょう。

  なのでこの展示は文章による解説が重要です。 音声ガイドが貸し出されていました。 うーん、迷いましたが辞めておきましょう。 なぜなら混雑がすごいからです。

 音声を聞きながら、ゆっくりと上記のような思索にふける余裕はないのです。 「立ち止まらないでーーーー!」という職員の声がコールされ、むなしく人の流れはよどんでます。 押し合いもみ合いながら、なんとか次の作品の前に立つことが許されます。

 音声ガイドを聞く余裕はありません。 ゆっくり作品を眺めることも不可能です。 ですが最後の展示、ドラローシュの「レディ・ジェーン・グレイの処刑」はゆっくりと見れました。

 なぜならこの作品は大作だからです。 壁一面がこの絵でした。 絵の登場人物は、ほぼ等身大の大きさです。 部屋のどこからでも、この名画を見ることができました。

 あらためて残酷な絵です。 処刑のためクビを切られる直前の瞬間。 美しいレディ・ジェーン。 泣き叫ぶ侍女。 誘導する司祭。 目を伏せる処刑人。 どの人物に心を重ねても救いはありません。

 中野京子さんの本によれば、当時の処刑は一種のエンターテイメントだったとのことです。 きつい暮らしをしていた庶民は、罪人の体と首が離れる瞬間をドキドキしながら見ていたのではないでしょうか。

 私はこの年の9月に裁判傍聴に通いました。 その社会的意義は十分に理解していますし、もっと傍聴するひとが増えればいいと思っています。 ただ、「ゲス」であることは否定しません。 社会のあっち側に落ちそうになっている人間を、こっち側から見るのはセーフティの快楽が伴います。

 このレディ・ジェーン・グレイの処刑もそこにポイントがあるのではないでしょうか。 我々が心を重ねるべきは、レディ・ジェーンでも、侍女でも、司祭でも、処刑人でもないのです。 「この美しい女性の首が飛ぶ瞬間」をドキドキしながら見ている我々なのです。

 そんな自分の「ゲス」さを「怖い」と感じました。 いやあ、すごい絵だった。

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いい天気でした。

焼き鳥センターでほっぴー

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安くて、うまい。

新宿歌舞伎町はいい街です。 警察24時で見る印象とはちょっと違ってました。