もう夜はマイナス気温の11月下旬なんだけど
お客さんが来たんだよ、二人。
たまねぎ戦士の仕事が終わって、ウルトラスーパーリラックスしてた
夜の19時くらい。
コンコン!
ってドアをノック、「 ん?コンクリ( あだ名 )さんかな? 」
って思ったんだ。
※ コンクリさんは美瑛町の有名な会社のバイトをしていて、冬の条件( 水道とトイレが使えない )を呑んで泊まっている人。
「 あの~ココに泊まってる人ですか? 」
「 いえ、管理人ですけど 」
「 ああ!今日って泊まれます? 」
「 いえ、もう終了してしまったんですよ 」
「 そーかー、そーですよねー 」
で、詳しく聞いてみたら
・・・準備と情報収集が足りないなあ
って思った話
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仕事は準備が8割
アタシが郵便局の保険屋さんだった十年前、上司から教わったことに
「 仕事は準備が8割 」という言葉があるのよ。
準備、つまり情報収集のことなんだけど、
あらかじめ今日訪問するお客様の情報を出来るだけ仕入れておくこと、
それが準備なのね。
なんでそんなものが必要なのか?っていうと
保険には契約者と被保険者というのがあって、
だいたいの金持ちは保険なんて入れないのよ。
その理由は大きく分けて3つ
1、保険限度額1000万に達している( 郵便局内だけの話ね )
2、健康状態で弾かれる( 年をとれば、なにかしらの病気になってるから )
3、投資としてもう成り立っていない( 入れないではなく、入らない )
があるのね。
で、もし近親者に孫やそれに当たるのがいれば被保険者にして、金持ちのお客さんを契約者ってことで生前分与みたいなカタチで契約をもらうの。
99%金融商品としてのね。
でもね、これが主力よ? 若い人は郵便局より外資系の安い契約しちゃうからね。 郵便局ブランドがばっちり効く世代に金融商品を売りつけるのが優秀な成績を残すための最短ルートなのね。
そんな状態だから「 準備が8割 」なのね。 要するに、ハナッから金融商品を売りつけるストーリーを描いておくのよ。
・・・と、まあアタシの経験から語ってみたけど、別にどの業界でもあてはまる言葉よね「 仕事は準備が8割 」って。
「 おはよーございまーす 」っていって、いきなりツケ場に立つすし職人はいないわよね。 スシを握る前に仕入れと仕込みをどれだけやったのか?って問題を「 仕事 」っていうわね。
今のアタシのような肉体労働?もそうよね。 「 時給が発生してないし! 」っていって前日しこたま呑むアホもいるけど、「 労働力 」を売っているんだから、それにそなえて準備するのも仕事のうちよね。
で、突然やってきた彼の話。
バイトないですか?
右の人
最近までシャケバイをやっていて、ヒッチハイクでここまで着たみたい。
左の人はヒッチハイクされた人。「 そーいや美瑛になんかあったな 」
ってことでウチに来たらしいんだけど、
「 なんか、ココに来たらバイト紹介してもらえるって聞いて・・・ 」
「 え?ないよ、夏だけ。 」
「 そうですか・・・ 」
「 いや、携帯ないんですよ 」
「 あ~それはキツイねえ。 じゃ、帯広かな? 」
「 帯広ですか? 」
「 うん、ヤドカリさんにいけば今年も誰か契約の仕事やってるんじゃない? 」
「 そうですか、どうしようかな?今日は道の駅に泊まろうかな 」
「 金、そんなにないの? 」
「 はい、風呂にも入ってません 」
「 へーがんばってね 」
ってことで終了。
ヒッチハイクされた人も、このマイナス気温のなかに放り出すわけにもいかないしね( まあ、楽しんでたみたいだけど )、死なない程度にがんばれとしかいえないわよね。
直前までバイトしてたのに、どうしてそんなにお金がないのか?聞いてみたんだけど教えてはもらえなかったわ。
そんなわけで、金欠の彼は道東から美瑛に来て、さらに道東へ戻る旅をしなくちゃいけなくなったのね。 そんなめんどくさいことをしなくちゃいけなくなってるのは、実に準備が足りなかったのよ。
誰かにスマホを借りるなりして
「 北海道 冬 アルバイト 」とかで検索しなかったのが今の自分の状況を招いているのであって、あなたに優しい手を差し伸べるのはきっと優しさじゃないの、
「 行き当たりばったりでもなんとかなるな 」って
ふんわりとした甘い認識を植えつけることになちゃうの。
やるべきことはヒッチハイクじゃなくて、まず準備と情報収集だって。
それをしないと極寒の夜に死ぬ思いをすることになるんだよ。
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