田舎の高校生だったアタシの周りにあったのは
田んぼと図書館だけだった。
映画を見に行くにも30分かけて電車に乗らなくてはいけなくて、
地平線まで続く田んぼを越えるには自転車ではムリだった。
そんな田んぼの大海原にぽつんと浮かぶ小島のなかで、
高校生だったアタシは退屈をもてあましていた。
そんな高校生がまわりには結構いて、
そんなのがあつまれば大体「 麻雀やろうぜ! 」と
なったのだ。
自転車で友達の家に集まり、徹夜で牌をならべる。
なによりもスリリングで面白かった。
しかし、負けた。 負けまくった。
それから数年間、麻雀というゲームの真髄を理解するため、
面子が集まるごとに打ちまくったんだけど、やっぱり負けた。
「 自分は向いてない 」と理解するのに何年かかったんだろう?
ぱったりとやらなくなって、たまにゲームで遊ぶくらい。
10年以上の時間が過ぎて、麻雀よりも将棋にはまり、
ライダーハウスを始めて、トタン屋根をはっていった。
トタン屋根の下にはテーブルが置かれ、
遊びで作った麻雀卓マットと、
もらった麻雀牌がいつのまにかセットされていた。
「 面子足りなんですよ 」
と呼ばれたら参加した。
「 弱いからね 」と断りを入れた、本心だ。
久しぶりに触る麻雀牌は冷たくてキモチがよく、
確率のロジックに懐かしさを感じながらならべていたら、勝った。
打つたびに勝った。
・・・・・どうしてだろう?
いつのまに強くなったんだろう?
心当たりは一つしかない、
将棋だ。
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将棋で脳のクロックアップをする
30歳のときに将棋を始めた。
「 ハチワンダイバー 」という漫画の影響だった。
一緒に始めたOさんと、漫画の主人公のように
深く深く先を読んで指していると、脳が
「 うわあああああ!おもしれえええええ! 」と
喜んでいるのがわかった。 アタマを使うので、
思考力が強くなった。 それまで霞がかかっていた脳内が、
4kテレビのようにくっきりしてきたのだ。
それから毎日指している、将棋は脳みその筋トレなのだ。
で、麻雀は将棋に比べて考えることが少ない。
確率的にベターで、リスクを取るタイミングを計るだけなので、
自分の手をあまり見なくなった。 その分全体を見て暇をつぶした。
河から想像する相手の手、ツモったとき迷い、その時間、なぜ?
麻雀力とは推理力である。 推理する時間があればあるほどよい。
その時間を作るのは脳の処理スピードだ。
そのスピードを上げるには将棋がもってこいって話。
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