価値のある人間になろうと思う
そんな人間はいないのかもしれないけれど
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下町ロケットを読んだ
アタシは人に本をあげるのが好きでさ、ちょっと話してみて
「 ああ、この人にはこの本が似合うなあ・・ 」って思ったら
バンバンあげちゃうんだ。 そのほうが本も幸せだって信じてるんだよね。
で、そんなことをしてるとどうなるのか?
お返しをもらうんだよね「 これどうぞ 」って
旅人って結構本もってるよね。
フェリーやテントの中とか、足止め食らった道の駅とかでも、
スマホにシェアを奪われたとはいえ、文庫本のひまつぶし能力は偉大だ。
で、いつもの通りあっさりとたまねぎ戦士の仕事が終わって
なんか読もうかなあ?って本棚をあさっていたら、そんな誰からもらったのか
忘れちゃったような本があったんで開いてみた。
開いてみたら閉じれなかった。
いやーおもしろい、一気読み不可避だね。
著者得意の経済小説ではあるんだけど、いままで読んだ中でいちばんエンターテイメントしてたなあ。
でね、心に刺さったのが主人公が仕事論を部下にかますシーンで
「 仕事ってのは二階建てなんだ。 一階は給料や生活、それはもちろん大切なんだが、それだけじゃ仕事って息苦しくなるんだ。 だから二階に夢ってのが必要になってくる。 」
というようなことをスピーチするんだけど、なるほど、夢かあ。
アタシも毎日たまねぎを剥くだけじゃ気が狂っちゃうからいろいろやってるし、
夏のために
って思えば、別にどんなにくだらない仕事でもやっていける自信があるよ。
保険の営業の時は
「 どうしてみんな、こんな仕事を続けられるんだろう? 」って不思議だったけど
それはみんな二階に夢を乗っけていたからなんだろうな。
家族の成長や、週末の楽しみや、人生プラン。
そんな夢があるから耐えることができるってこともあるだろう。
実家暮らしのアタシには想像もできなかったけれど、背負うものがあれば夢もそれだけあったんだろうね。 アタシは保険がまったく売れなくて、三年目の合宿のとき( 郵便局にはそんな制度があった )「 アナタの将来のビジョンを書いてください 」って設問があって。
?
ってなったもんな。
「 できればやめたい 」ってのが一番正直な答えかもしれないけど、そんなことはかけっこなくて「 優秀なセールスマンになりたいです 」ってお茶を濁したんだよね。
そんなウソをついてから十年以上が経過したけど、はっきりとわかったことがある。
夢のある人ってのは安定してるよな。
たまねぎ工場には毎日たくさんの派遣さんがやってくるんだけど、日替わりで辞めたり入ったりしてるんだ。 原因はおそらく弱いものいじめマンが威張り散らしているからなんだけど、「 お前は頭が悪そうな顔をしてる 」って言われた人は残ってる。
その人に話を聞いたら、うん、ココではかけない壮絶な人生と夢があるんだなあ。 弱いものイジメマンとは人間の器が違うよ。 それに比べて、「 稼ぐために来ました 」ってひとは速攻いなくなるもんだ。 そらそうよな、稼ぐってだけだったらもっと効率の良い道があると思うもの。
アタシ? アタシは今のような夏を続けつつ、もっと価値のある( 価値の作り出せる )人間になりたいなあ。 その道を模索するためにはたまねぎ工場はうってつけの職場で、今日も弱いものイジメマンの盲点を指摘して( どうだ、アタシはお前が見過ごした、こんな細かい問題も見過ごさないんだぞ、すごいだろう )って遊びをしてきたよっと。
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