崩壊する介護現場を読んだ
著者のルポが好きで何冊か購入した。この本はちょうど介護のハナシってことで読んでみた。著者は自分で介護施設を立ち上げている。自分も介護の仕事をして4年。だから内容は「そりゃそうっしょ」というものが多かったが、そこは腕っこきのルポライターで読ませる。特に採用してしまった問題社員山田の言動がとても面白いというか興味深かった。山田はおそらくサイコパスである。
サイコパス。他人への共感がほぼなく、嘘を重ね、現場を崩壊させる存在。著者の体感では50人に1人の介護職員はサイコパスではないかとのことだ。人手不足でほぼ100%採用の介護施設ではそれぐらいになってしまうとのこと。自分の体感では周りにサイコパスはいない。それはつまり、今働いている施設がしっかりしてるってことだろう。
なるほど。確かにそう思う。いろいろ思うところはあるが、たしかにしっかりしている。そう確認出来ただけでも、読んでよかったと思えた。
それに介護だけにとどまらず、人間ごときが作ったルールや物なんて、できた瞬間から崩壊していくものだ。それを人間の力でメンテナンスして維持しているだけだと思う。自分が4年も働けている今の施設も、キチンとその時その時の人たちがメンテナンスして維持してきているのを感じる。
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ルポ 中年童貞を読んだ。
同じ著者である。中年童貞はやべー人間であり、社会のクズってスタンスで書かれている。メスを獲得できないオスなんて一定数いるのが自然であり、自然恋愛がデフォとなった近代ではその格差が顕著って話。
「そんなのほっときゃいいっすよ」と著者は言われている。俺もそう思う。童貞は風俗に行くべきだ。それでいいのだ。
ところで、童貞といえば、バキバキ童貞ことぐんぴぃのyoutubeが面白い。こんな面白いヤツが童貞なわけないだろ!と思う。ビジネス童貞。そんな気がする。
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私、毒親に育てられましたを読んだ。
同じ著者。いちばんキツい。
毒親と聞いて想像したクズのさらに斜め上を行っていた。つい自分と比較してしまう。いかに恵まれた両親と環境で育てられたかわかる。
こーゆーきっつい底辺を生きる人間のルポは読んでいて止まらない。自分がいかに恵まれているか、ノーブレスオブリージュを行うべきなのか、それを知ることができるからだ。ただのクズなのかもしれないが、まあそれでもいい。
社会人としてのラインを外れてしまった人間について学ぶことで、いかに自分と周りがマシなのかを知ることができる。それは余裕につながる。余裕はとても良いものだ。