モトハチ(元蜂の宿管理人のブログ)

閉鎖したライダーハウスの元管理人のブログです

急に暇になったので

1週間以上の休みなど、これから先の人生ではナッシング!

と思っていたらやってきた。

嫁の職場のクラスター的な関係で。

そんな事情だから家にこもり続ける1週間がはじまる。

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映画を見る。

「ナイスガイズ!」

2人の探偵が1つの事件を追う話。

もうね、キャラが最高。

会話もたまらん。

欠陥だらけのダメ人間こそが愛おしい。

アメリカンアニマルズ」

普通の大学生が、ガードの緩い図書館から高価な本を盗む話。

実話。そして、面白いのが

・本人が出演してこの時の心情をコメントする

というもの。「芸術家として、なにかやらなければと思っていた」「はじめはあいつの話からすべてはじまった」「正直、あいつにかかわらなければと思っている」などなど。

この演出により、リアリティが見たことないレベルになっている。ルパンとかオーシャンズとかでは、あ、お話なのね。という怪盗が大活躍ってエンタメになるジャンルなのだけれど、これは違う。もし、自分だったら・・・と、実行役の主人公たちに完全投影してしまうのだ。

だから、盗むのに必要なことが「図書館司書のおばさん1人を無効化する」ってことだけなのだけど、フィクションならモルヒネとか大騒ぎを起こして・・とかいくらでも考え付くんだけど、実際どうなん?この映画では電気ショックバチバチでしびれさせて、縛るってだけなんだ。スタンガンではもちろん気絶はしない。大暴れする。そんな人を縛る。超大変。

だから強盗ってホントダメなんだと思う。映画を見ていて思い出したのが、裁判傍聴で知った強盗事件なんだけど、あれも本当にダメだった。

つー感じで映画はダメダメに終わるんだけど、最後のリアル主人公たち(7年の実刑判決を終えて社会復帰している)のコメントがとても秀逸で「え!?そうゆうこと?」とひねって終わる。いい映画だった。

 

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中島らもの「君はフィクション」を読む。

俺はらも先生の大ファンだ。

中島らもが物理的にもう新作を生み出せない(階段から足を滑らせて没)から、自分で小説を書いているぐらいだ。

たとえばこんなくだり

「十二、三分してノルモが効いてきた。血管の中をクスリが静かに散歩している。とろりとしてまぶたが重くなってくる。六錠がおれには丁度いい。十錠飲むとロレツが回らなくなる。十五錠飲めば道で昏倒する。百錠飲めば死ぬ。百錠飲んでもいいが、苦労して死ぬほどの意味は人生には無い。慣性の法則で我々は前へ進み、眠り、そして明日の岸辺へと辿り着く」(ねたのよいーー山口富士夫さまへーー)

 

いいね。苦労して死ぬほどの意味など人生にはないのだ。今年も日本一周ライダーが自殺してしまった事件があったが、もし、彼に会っていたらこんな言葉を送りたかった。苦労して死ぬほどの意味など人生には無い。がんばって死ぬんじゃないよ。と。そんな意味などないんだ。ご両親がセックスをされたから、いま、我々がここにいるってだけなんだ。像が左のわき腹から入ってきたわけでも、天使ガブリエルがおつげをしたわけでもないんだ。さあ、ライスで働けと。