モトハチ(元蜂の宿管理人のブログ)

閉鎖したライダーハウスの元管理人のブログです

VRchatに首を突っ込んでみる

VRチャットを知ったのは、ある人がやっていると知ったからだ。その人は旅人でありプログラマーであり、作家であり、なんだかよく分からない人だ。西成のホームレスにまで身を落として、そこで覚えたプログラミングで今は年収が1000マンを超えているとか。その人が「VRチャットはおもしろい」とネットに書くんだからきっと面白いんだろう。で、実際にやってみた。

うーん、なにがおもしろいのか・・・適当なアバターを選び、適当なワールドに入ってみる。人がいる、が、何語かわからない。操作も謎だらけ。いったんログアウトして、ブラウザでVRチャットの情報を探ってみる。

と「jp」チュートリアルというワールドがあるのを知った。まずはここで情報を掴んでみよう。ここは日本語でVRチャットについていろいろ解説してくれるらしい。壁に沿っていろいろ書いてあって、それを美術館の様に横歩きですすんだ。

「こんにちはー」と男の声。そっちを向いたらウサギの女の子がいた。こんにちはとあいさつすると「ひょっとして初めてですか?」と関西イントネーション。「あ、はい」「じゃ、ちょっと案内していいですか?」「あ、おねがいします」「じゃ、こっちきてくださーい」といきなり添乗員付きチュートリアルJになったのだった。

その人は、本当に詳しく、VR初心者である自分にもわかりやすく解説してくれた。リアルだったら警戒しただろう。インドだったら100%ぼったくりだ。でもここは仮想現実であり、実害はない。話を聞いていたら「こんちは」「初心者狩りですか?」と人が集まってくる。21えもんのゴンゾウがいた、なつかしい、たしか芋ほりロボットだったっけ。4人ぐらいでゾロゾロあるく。みんな何してる人なんだろう・・・興味はあったが、まずはこの世界に慣れることだ。

荒らしの対策、カメラの使い方、ワールドの移動、フレンドの追加方法、アバターの変え方、etc・・・いろいろやって「じゃ、ここいきましょかー」とポータルを出してくれた。そこに入るとプラネタリウムに浮かぶ白い部屋だった。「じゃ、これ取ってください」と中央にあるバトンのような棒を取り「トリガー引いてみて」と引く。

ポン・・と花火が上がった。

思わず「きれい・・・」とつぶやいた。こんなこともできるのか。その後も、VR酔いが来るまで遊んだ。最後に写真を撮っておけばよかった。

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ヘッドセットを外すと2時間が消し飛んでいて、晩御飯の準備をしにスーパーに行かなければいけない時間だった。だがふらふらする。つばがたくさん出る。バイクは危ないので歩いていく。途中何度もつばを吐く。なんてガラの悪い中年だろう。もうしわけない。帰り道、本格的に世界がまわり出して、公園のベンチに横になった。ん、公園のベンチはいい。とても気持ちがいいものだ。寝っ転がって、スマホ東直己の小説を読む。あれだけ最先端のエンタメを堪能した後でも、文字による原始的なエンタメの良さは不変だ。

身体はふらふらしていたが、頭はクリアだった。知らない人といっぱい喋った、しかも仮想空間で。そこには金の絡まないおだやかな空気があった。

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次の日は休みで、晴れていた。こんな日は年に何度もない!といままでだったら川だ山だとどこかに出掛けていたのだが、そんな気持ちにならなかった。だらだらとすごし、庭に水をやったり、家の片付けをしていた。モーロクしたなあと自分でも思う。

言い訳をするならば、俺はきっと新しいもの、未知なものが好きなんだ。知らない世界に首を突っ込むのが快感なんだと思う。だから裁判傍聴とかビシビシ来た。webライターで知らない人にハッタリをかますのも最高のエレクチオンだった。バイクやスキューバやパラグライダーや山登りや沢登り介護、ライダーハウスや居酒屋、いろんなところに顔を突っ込んできたと思う。だからいまは未知の分野である庭造りとVRチャットに首を突っ込むのだ。hatimasというアカウントでやってます、フレンド申請ください。