モトハチ(元蜂の宿管理人のブログ)

閉鎖したライダーハウスの元管理人のブログです

光回線がやってきた

いきおひ

wifiを解約してしまい、ノーインターネットの1か月半だった。1G契約のDMMモバイル(楽天にM&Aされた)は数日で枯渇して、満足にインターネッツできるのは職場にいる時ぐらい。「職場っていいよね!wifiあるし!」と目がイってた。

そんな5月にもいろいろあった。

田植えのバイトをした。かねてからやってみたかった田植えのバイト。この時期は労働力の奪い合いになるらしく、日々チェックしている求人情報でも「時給1800円!」とかイーロン・マスク氏でも飛びつきそうな好条件がならんでいる。それにコメ作りは日本人の必須項目だろう。だから「バイトしないっすか?」ととある筋から話が合った時、俺は蚊に飛びつくアロワナのように身を投じたのだった。

 

仕事自体はシンプルで、そりゃ人手もいるわなあ・・・という単純作業だった。田植え機の作業量はすさまじく、幾万もの苗をはやした苗床をガンガン積む手伝いをしていく。ここで重要なのはチームプレイで、あの人がいまこれをやっているから、自分はこれをやるべきで、それをこの人に伝えて・・という野球の内野のようなムーブが求められる。2日やった。楽しかった。

 

田植えで学んだことは仕事に生きた。苗床を準備するように、仕事の準備をする。たくさんしゃべって情報を共有する。シンプルに言えば攻める。たくさんしゃべって、たくさん動く。職場は戦場であり、俺は兵士だ。ヌルいことを言う上司に、俺はイメージのワルサーを構える。右足を引き、斜に構え、目で殺す。すると気持ちでまったく負けなくなり、相手の遅さ、弱さ、過ちがなんとなくわかってくる。それがわかってくると優しくなれた。

 

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上島龍平が自殺をした。テレビタックルや、お笑いウルトラクイズで育った世代にとって大きな出来事だったと思う。その一人である自分にとっても大きかった。かっこわるいとは、なんてかっこいいことなんだろうと思う。

 

へこんだメンタルは癒しを求めるが、メンタルがへこんでいるときは何かをする気力がそもそもない。何かしたいとも思えない。暗く深い水の中に沈んでいく。自分というダイビング練習用のプール。深く深く潜る。底にいるのは原初の自分だ。子供の俺だ。膝を抱えてうずくまっている。「なにがしたい?」と聞いた。「ゲーム」と答えた。

 

職場のwifiでゲーミングPCを探った。半導体需要が仮想通貨のマイニング需要によりどーしたこうしたでえぐいことになっているが仕方ない。たかがグラボが10万以上するのはザラで、それを動かすには最新世代のcpuが必要だ。PS5の抽選にも何度か応募したが、まったく当たる気配がない。結局15万ぐらいのまあそこそこな初心者向けゲーミングPCにした。ついでに3万ぐらいするVRも買った。

 

今月は完璧に赤字だ。だがまあ仕方ないだろうとあきらめていたら、田植えのバイトがあり、そして中間決算だとかでボウナスの前払いのようなものがあり10万円もらう。さらに介護職のあまりに悲惨な年収に同情してくれた政府からのおこずかいももらう。なんだかんだ、大した出費にはならなかったな。

 

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ゲーミングPCが来るまで2週間ほど必要だ。なにもせずに、待っていようと思っていたけど、なんだか気持ちが上向きだ。そこで庭いじりをしようと思った。雑草パラダイスだった庭をすべてリセットしてしまおうと。アメリカ人のように芝生を植えてみよう。

 

それは 無 をつくるかのような心持だ。それまで勝手にいきいきと生きていた雑草たちをスコップで掘り返し、土をほじくる。そこに石灰や芝生の肥料をまいて、種をまく。ホースを回し水をかける。これが楽しい。

 

これまで「何が楽しいのか全く理解できない」と思っていた庭いじり。実に楽しかった。これはつまりあれだ、大人のプラモだ。わはは、そうだ、プラモじゃねーか。あのばーさんやじーさんたちはプラモをやって楽しんでたんだ。

 

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企画の立て方、という講習会があり参加した。そこで「マツケンサンバどうっすか?」と言ってみたら「採用!」となった。俺は女装してバックダンサーをやりたいと願い出た。あくまで企画立ち上げの練習という形だったが「こんな振り付けや演出はどうだろう?」と頭の中でステージプランを考えるのが楽しい。もし、実現したら上島竜平からもらったものを見せてやるつもりだ。

 

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6月7日

 

家のチャイムが鳴り、業者がやってきた。家にどこからか線をつなぎ、あっさりとインターネットがつながった。

 

ツイッターで蜂の宿がやっぱり解体されることを知る。以前、半壊した部位を取り壊そうとしたら「もう誰かが買うみたいだよ」と隣のおばさんに教えてもらっていたので驚きはなかった。いいことだ、と思う。