モトハチ(元蜂の宿管理人のブログ)

閉鎖したライダーハウスの元管理人のブログです

金稼ぎにしては楽すぎる

夜勤明けのハイテンション。眠気を超えた先。ネトフリでくだらない映画や、面白いドキュメンタリーを見る。昼を過ぎたあたりで抗えない睡魔に襲われて寝る。起きたら昼だった。昼から昼へ。3時間ほど寝ていたようだ。

嫁がかえってくる時間だったのでごはんを考えた。何を食べたいか、まったくイメージがわかない。料理本や料理漫画を手に取るが思いは実体化せず、空腹のセンサーは中空をむなしくさまよった。しかたない、あるものをつかってなんかしよう。もらったカブ、終わりかけのバジル、なにができる?「トマトがあればパスタになる」と帰ってきた家人が言うのでそうした。ん、んまい。

月末だったので、今月のことを振り返った。なんといっても両家顔合わせをやったのがデカかった。そしてそんまま旭川のホテルに泊まったのも僥倖だった。新しいホテルは簡単に止まれて、エレベーターもストレスなく、風呂もデカくて最高だった。多少金を使ったが、いい使い方だったと思う。

今月はそれ以外にもいろいろ買い物をしまくって、いま自由になる金があんまりない。8月だからだろう。ライダーハウスをやっていたときも8月は特別な季節だった。熱く、濃く、そして丈夫な時間だった。そんなイメージだから8月は出費が絶えない。使うべき時があるなら今なのだ。

明日の事を考える。休みなのだ。予定はない。天気も悪くないが、風がつよい。山はダメだろう。うん、行くなら川だ。こんな選択肢をいくつか持っているのがありがたい。

夜になっても眠くならなかった。本棚から適当に文庫を手に取る。中島らもだ。なんども繰り返し読んだ文章を追う。

自分の中には井戸がある。暗い、井戸。まだ枯渇していない。好きな本はこの井戸に水を注いでくる。おもしろいほど、簡単にオーバーフローする。そうなると何か書きたくなる。

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誰からも見られない場所にあるソファで横たわっていた。時刻は夜の2時、棟は完全に寝静まっていて静寂。俺はトイレの換気扇のスイッチを切り、窓を閉め、洞窟の様に静かに集中していた。人の声を拾うためだった。

すべての場所を見張るわけにはいかない。だが、広すぎるすべての場所で何が起こるかわからない。情報は音に頼る。体はいつでも動き出せるようにリラックス。その姿が問題になった。

ソファに横たわっている姿を見られてしまい、さぼっているとおもわれたのだ。その話を聞いたとき、深いため息をついた。心が沈んだ。そして思い直した。

確かに、金稼ぎとしては楽すぎる。

時間を奪われはするが、それだけだ。こんなもんで金を稼げるのか・・・と思う。楽な仕事を見つけてしまったものだ。

その反面、魂が腐っていく感じもある。以前は料理を作る仕事をしていて、それはもう真逆だった。お金を稼ぐのは大変だと思った。

どろりとした闇につつまれて、こうして考え事をしている。その時だった。何かが動いている。

キィ・・・という音。「なにしてんの?」「えへへへ」深夜徘徊のおばあちゃん。「寝なさいな」「わからんくなったんよ」「そうかい」「わからんの」「わかったよ」「うん」手を引き、部屋に誘導して寝かせる。

残りの人生をこんな感じで過ごすのか。そのことに淋しさを感じる。だが、30代の自分がやったことを、今の40代の自分が超えれるとは思わない。

俺は30代の俺を認めている。凄いやつだったと思う。

ブラックコーヒーを一口飲んで眠気と仲良しになる。夜はまだ明けない。

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適当にメモ帳に書いた。少しだけ眠くなってきた。