家に２台目の駐車場所をつくろう。そうやって１か月近く経過した。基礎ブロックの固さに泣かされながら、電動ドリルで破壊して６日目の作業日。ついに基礎ブロックは終わった。
次は、この岩である。最初は何とか転がせないか？と思っていたが、とてもじゃないが動かない。ビクともしないのだ。テコをつかって全身全霊の力でもって動かそうとしても、岩はゲームの背景のようにそこから動かない。なぜなら、これは岩だからだ。岩はとても重い。そんな当たり前のことに「岩だなあ」と感心した。
転がすことにパワーを使っても意味が無い。ならば破壊するしかないではないか。
どっかの岩場の映像を見たことがある。巨大な岩壁に線を引いて、等間隔で穴をあけ、そこにせーのでたがねを打ち込む。そうすると線に沿ってぴきっつとヒビが入り、岩は割れる。このやり方で行こう。
この岩は堆積した層があり、その隙間を狙って穴をあけ、たがねを打ち込んだ。岩の中にも硬いところと柔らかい所があり、固い所に打ち込んでもすぐにたがねが跳ね返されてしまう。弱点を狙うのだ。弱点をつけば、あっさりとたがねが吸い込まれていく。
このヒビの入った瞬間が気持ちよかった。
伝説の聖剣のようになったバール。
最終形態。ここまで割れば転がせる。
電動ドリルの振動と、ハンマーを振いすぎたせいで体に影響が出ている。筋肉痛で、布団から起き上がることすらキツイ。でも「がんばれば岩も割れる」という事実を発見できたので気持ちが良かった。ああそうか、俺は岩だって割れちゃうんだ・・と新しい力を修行によって得た主人公の気分だ。人生で岩を割ることはもうないと思うけど、悪くない経験だった。
