モトハチ(元蜂の宿管理人のブログ)

閉鎖したライダーハウスの元管理人のブログです

花を飾る

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職場に花を持っていった。写真に写っている奴はその1部。半額で300円だった。あらかじめ許可はとっていたけど、持っていくときはドキドキした。なんていっても、誰にも頼まれていない。自分の意志で花を持っていき、飾る。そこに必然性はなく「なんで、このおっさん、いきなり花をもってきたの?」と奇異なものを見る目が突き刺さるのは目に見えていた。事実、刺さった。夜勤開始1時間前に職場について、咲き誇る花を飾った。利用者さんに声をかけて、植木鉢を1つ借りる。お年寄り、特に女性は花が好きだ。植え替えのコツを聞きながらやってみる。「あー、新聞紙!」と新聞を下に引くことを教わる。「わりばしある?」と余った土を割りばしでやさしく押し込む。楽しい時間だった。花は何日もつのだろう?1週間も持てば、やった価値はあったと思う。職員からは奇異な目で見られるが。

1人で夜を超えた。出来としては75点ぐらいだったと思う。静かな夜だった。コーヒー、ドデカミン、ラムネ、スマホを駆使して眠気の谷を越える。

仕事を引き継いで家に帰る。溜まったごみを出して、朝ご飯を作り、それを食べると死んだように眠る。朝日が眩しい。そろそろカーテンを変えなくてはいけない。家を買った時、ついていたカーテンをそのまま使っているからだ。それに雪山が溶けてきて、朝日が強くなってきたというのもある。「この家で、冬を超えたんだな」と感慨深い。去年の今頃は、電車の中で暮らしていた。水道なんて使ったものなら、すぐに凍って破裂する環境だった。洗濯機は排水から凍り、まったく使えなくなっていた。今年は常に水道が出る。ボイラーからの温水だ。洗濯機も使える。なんてありがたい。

4時間ほど寝ると、ものすごく元気になった。頭がスッキリ、からだも動きたい。仕事から帰ってきた嫁を連れて、ニトリにカーテンを買いに行った。ついでに花瓶を探す。また、花を飾るためだ。

花を飾ろう。花は凄い。花を嫌いな人はいないからだ。もちろん好きじゃない人はいる。だけど飾られて嫌な気持ちになるひとはいない。花のある空間と、無い空間、どっちが好き?と聞かれたら花のある空間だ。そういう意味で、花は武器だ。相手の心をつかむ武器。花は表現でもある。自分の心を表現する。枯れるのもまた良い。枯れるから楽しめる。その切なさを何度も知っているから、花は美しいのだと思う。