モトハチ(元蜂の宿管理人のブログ)

閉鎖したライダーハウスの元管理人のブログです

礼儀正しいが間違っている

人間にはプライドがあって、自分はそれを傷つけないようにふるまっている。それはお年寄りに対してもそう。しっかりと相手をリスペクトし、1人の人間として礼儀正しく接していた。

そのスタンスはライダーハウスでもそうだった。たとえ500円だろうが、お金をもらうのであれば相手はお客様。全力で楽しんでもらう、プライドを傷つけない。なんてこったいといった人間でなければ、私は相手を人間として礼儀正しくあつかう。

「怒ってるでしょ」と言われたのが始まりだった。認知症が進んだお婆さんである。たとえコミュニケーションが取れなくても、礼儀正しく接した結果そういわれたのだ。とうぜん、怒ってなどいない。いや、こちらの誘導に従ってくれない相手に、ややストレスは感じていたが、それを表に出してなんかいない。むしろ、より礼儀正しくやっていたつもりだった。

それでも怒っているなんていわれたら、どーすりゃいいの?と思う。「怒ってないよー」と言うが意味はない。こちらの言葉がそのまま伝わる相手ではないのだ。はぁ・・なんかもう、どうでもよくなってしまった。やけくそになって仕事を片付ける。礼儀をどっかにぶん投げる。馬鹿笑い。シモねた。仕事の進行?知るかバーカ、人間なんだから何時に寝ても自由じゃん。好きなことやってりゃおっけー、怪我しなければ上等よ。ごはんなんて残してもいいし、服だってキレイに着なくてもいい。そこらへんに放尿しちゃっても別に大丈夫だ。仕事が遅いと言われても知るかバーカと答えよう。頭の良い振りはもうたくさんだ。そんな演技はもう辞めた。だいたい、面白くないやつほど、面白いやつの演技をするのはなぜだろう?いつもいつも不思議だった。

これを面白演技仮定と名付けよう。この仮定に基づくならば、自分は礼儀正しくなんてないのに礼儀正しい演技をしていることになる。

・・

・・・

確かに、礼儀なんてくそくらえと思っているかもしれない。

 

それから仕事はなんかすっごくスムーズに片付いた。おそらく、声を大きく張ったからだと思う。そもそも、お年寄りの耳が遠かったから、自分の誘導が聞こえなかったのだ。なんか1つ掴んだ気がした日だった。

 

頭のよさそうな演技をしている人ほど馬鹿だ。自分の馬鹿さを必死で隠しているからだろう。