モトハチ(元蜂の宿管理人のブログ)

閉鎖したライダーハウスの元管理人のブログです

情報で勝つ

図書館に行き、美瑛商工会史を読んだ。こんな本が嫌いではない。それに知りたい情報があったのだ。

もともと美瑛町で商売をやっていた利用者さんがいる。その人の店はすでに無い。店をたたんで、認知症を発症、そして介護施設へとなったのだ。

その人と話をするのだけれど、圧倒的に情報が足りない。共通点が無い。普通だったら共通点を探り、作り出せばいいのだけれど相手は認知症だ。あたらしい記憶をつむぎだすことが難しい。相手の心にある情報にアクセスしなければ、心を開くことは難しい。で、商工会史なんて読んでいるのだ。写真だけあった。とても大きな看板の下に、利用者さんたちの家族が映っていた。

その情報をもとに話した。

「どんな店だったの?」

「看板がおっきかったよ」

「ああ!あれ!おっきいよね!」

「あれが落ちてこないか心配だった」

「あれが落ちてきたらおっかないね」

「雪が降ったら落ちてきそうでさあ」

たった1つの、小さな情報だったけれど、とても有効だった。

 

他にも1つ1つ確かめていることがある。

職場のテレビにHDDを接続し、どんな番組にどんな反応をするのか確かめている。

最悪なのはニュースで、不安をあおることしかない。

バラエティも刺激が強すぎる。あまりよろしくない。

日中はお年寄り目当てのテレビショッピングの行列だ、とてもよろしくない。

ベストでありベターなのは歌番組である。ただ、そればかりを流しているのも飽きる。

自然番組、かわいい動物などもいい。無音でいい。

さりとてクラッシックとかはダメだろう、最低でも注目をひいてくれないと意味が無い。「帰りたいけど、いまテレビが面白いから・・」という思考になってほしいから。

1つ1つ試していく。今日の発見は「皇室アルバムは最強」ということだ。お年寄りにとって天皇家の存在は特別中の特別だ。どんなに認知症を患っていても、その気持ちはすごい。膝に手を当てて、まっすぐにテレビを見ていた。「・・・・これだ!」と思った。象徴、なんて言葉では説明できない。