仕事を辞めるとき「よく考えて」と言われた。考えればわかるはずだと。あれから20年、考えたところで結論にはたどり着かないときっぱり言える。2つ理由がある。
1.考えるには材料が必要だ
ロゼッタストーンにかかれたヒエログリフを解読するとき、人は大変困った。手がかりが少ないのである。暗号解読者までもが登場したのだが「ひょっとして意味なんてないんじゃない?」という諦めまであった。解読できたのはトマス・ヤングという物理学者の登場が大きい。
これは考えるには材料が必要だと意味している。仕事を辞めるということは、給料が減るということだ。それぐらいわかっている。「よく考えて」と言う人は、きっとそこしか見えていない。そんなものはアドバイスではないと思う。
金は生きるための手段に過ぎない。そしてありすぎる金は人からある種の鋭さを奪う。
2.考えるだけでは結果が分からない
世の中はとんでもない事象が組み合わさってできている。それでいてシンプルなルールも存在する。社会は観測者によってその姿を変える。考えるだけで正しい結論にたどり着けるというのは、ごく一部の学問しかありえない。
行動が伴って、はじめて考えは結論にたどり着く。
休みだった。朝から布団の中で何をするか考える。考えはまとまらない。何をしてもコロナにたどり着く。結局テレビにニンテンドースイッチをつないでゲームをしていた。
頭の中にはできるかもしれないが、できないかもしれないことがある。それは実行しなければ結果を知ることが出来ない。
美しいものが見たい。ただそれだけだ。無限に愛とエネルギーを注ぎ込めたライダーハウスがもうない、こんな寂しさもある。