モトハチ(元蜂の宿管理人のブログ)

閉鎖したライダーハウスの元管理人のブログです

住所を知らない場所に帰るには

きょうも狂ってた。

家に帰る、という。では、住所を知っているのか?と問う。しらない!と言う。自分の家の話だ。

力づくで非常口から外に出ようとしていた。鍵は2個ついている。1つは解除されてしまった。もし、もう1つに気付いたのならどうすればいいのだろう?タックルで止めるしかないのだろうか?それは身体拘束ではないのか?自分にはわからなかった。ドキドキしながら作業を見守る。幸い、1つしか気づかなかった。

そんな人に時間を取られてしまって、他の仕事が全く進まなかった。奪われたのは時間だけではなかった。こちらのエネルギーもだ。

どんな本にも、怒っている人からは距離をとるしかない。と書いてある。その通りだとおもった。殴られ、ののしられながら、心を閉ざした。

「私なんか生きてようが、死んでようが構わないでしょ!こうなったら施設にでも入ってやる!」という。つい「ここが施設だよ・・・」と言ってしまった。言ってから後悔した。ファンタジーの世界にいる人にリアルを教えてどうする。ひたすら悲しかった。

悲しかった。悲しい顔をしていた。そしてすぐに忘れてくれた。

人間の到達点。脳が委縮をし始めたらこうなってしまうのだ。人道的になんとかするには、ウソをつき続けるしかない。ここにいられなくなってしまったら、最後には精神病院しかない。鎮静剤と身体拘束しかない。それは敗北だとおもう。

「人間の問題は不幸ではない、不安である」とタイゾー先生は言った。その通りだと思った。不幸なんて慣れる。不安には絶対慣れない。不安には人を狂わす力がある。狂った力。それが人を爆発させ、突き動かし、壁を越えさせる。今年私は家を買い、彼女と2人暮らしを始め、2人ともボーナスが出た。経済的に不安な状態から脱却できた。つまらないと思う。あの不安。体を動かすエネルギーだった。それが少しだけ懐かしい。