モトハチ(元蜂の宿管理人のブログ)

閉鎖したライダーハウスの元管理人のブログです

タンジェント高木の私らしさとかいうヤベーやつ

「キミには才能がある、自分らしさを大切にもっと前面に出して」というk-popのビンワンプロデューサーに言われて女の子が才能を開花させるっていうストーリーのバラエティを見てしまった。「それまでずっと自信がなくて・・・でも、プロデューサーのあの言葉で『ああ、もっと私らしさを大切にしよう』って思ったんです」と女の子は自分らしさを大切にして歌を歌うことを決めたのでした。

才能とは、あまりにも無慈悲で、残酷なものは人を惹きつける。魅了すると言っていい。それは舞台作品とかでは顕著だ。100人が舞台に上がったとしても、たった1人の才能にはかなわない。スポットライトだけではない輝きを放つのだけれど、それがもっとも分かるのは99人の才能の無い(とぼしい)人がいるからだ。

歳をとったのだなと思った。その女の子がとっても健気で可愛げがあるからなおさらだけれども、例えば親戚の子供が「歌手になりたい」と言うとする。確率的には99人どころか、999人、9999人になる可能性が高い。1%、0.1%、0.001%のギャンブルに人生を投じる気なのか?やさしいおじさんは努力だけでなんとか食っていけるような社会をお勧めしたい。

だがもし、自分がその子だったら?と思った。そんなこというおじさんは終わってると思うだろう。「私が私らしくあるために、私は私であることを決めました」そんな倒錯したことを言い始めて上京、すぐに金が尽きてアルバイト情報誌に目をとおし、日中オーディションやトレーニングを受けることができるバイトを探すか、事務所からお勧めされたアルバイトを始めるだろう。人生に絶対はないけど、そこは絶対夜の店だ。「人とのコミュニケーションや、舞台に上がる感覚。絶対君の勉強になるから」とマネージャーさんは言う。人生に絶対はない。

そして10年後。ボロ雑巾のように酷使された体は限界を迎え、彼女は田舎に帰るのだ。そこに待っていたのは相変わらずの景色とタケシ(29)「東京、どうだった?」と家畜のとさつ場で働く彼の左手には豚の生首があって、彼女はそれをくりぬいて晩御飯にしたのでした。皮はなめしの名人ひこいちさん(63)にお願いしてマスクにしてもらい、村の祭りでそれを被り彼女は踊るのです。トランス状態に入った彼女の踊りは見る物を狂気にあざなって、村民の性的モラルは崩壊しました。「ヤレヤレ、やっと始まったわい」と村長はつぶやくのです。アマゾンで購入したディルドを持ちながら、村長はつぶやくのです。

ということでこんばんは(5:00)!なめし名人のひこいちさんことタンジェント高木です。

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自分らしさを大切にした挙句、犯罪行為に走ってしまった被告の裁判を傍聴しています。人間なんて基本的にろくなもんじゃなくて、唯一労働のみが少しだけマシにしてくれるって言葉をあたしたちは胸に刻まなくちゃいけないよね。こんな文章をかいているヤツならなおさら!