モトハチ(元蜂の宿管理人のブログ)

閉鎖したライダーハウスの元管理人のブログです

淋しさと犯罪の相互関係

裁判傍聴をしてきた。詐欺。といっても特殊詐欺から無銭飲食までいろいろある。今回は金が無いのにホテルに泊まったというタイプだった。

残金は81円だった。パチンコですべてを失ったのだ。というか、失業したときの貯金が10万円で、それからパチンコやってたからいつかは無くなる。「仕事すればよかったじゃん」とつっこまれてたが「心にぽっかり穴が開いてしまった」と彼は言った。

前科があった。空き巣とか窃盗の類。それを仮出所で出てきて1年半働いた。衝突しやすいタイプなのか、それとも同じところで働き続けるのがにがてなのか、2度ほど転職している。次の職の目安もついていたが、働けなかった。

「働くことで、犯罪をしないでよくなるんです」と彼は言った。そりゃそうだろう、だけど本人にとっては重要な問題だ。犯罪はしたくない。でもどうしても働きたくない時がある。淋しさにやられたというのだ。淋しさ。寂しさだろうか。それともさみしさ?ひらがなが一番しっくりくるなあ。

働くことで、さみしさを感じることがなくなり、犯罪をしなくなる。だけど、働けなくなり、さみしさを感じ、パチンコに行って金がなくなり、犯罪をしてしまう。

仕事のいい所は、お金をくれるってだけではない。さみしさから遠ざけてくれることだ。お金はコミュニケーションツール。人と人との渡し道。「仕事が人間ってやつを、ちょっとはマシにしてくれる」と誰かが言ったが、まさにそんな感じ。

無銭宿泊している部屋にいたとき、心細かったということだ。警察官が来て安堵したんじゃないかな。

さみしさを舐めてはいけない。さみしさは人生を狂わせる。