モトハチ(元蜂の宿管理人のブログ)

閉鎖したライダーハウスの元管理人のブログです

逃げるように、泣くように

脳のメモリを大きく奪っていた問題が、いま終わろうとしている。今年は本当にいろいろあった。自分の商売がつぶれたこと、見たくないものを見なければいけなかったこと、失ったことは今まで生きていたなかでもかなりのボリュームだった。厄年って本当なのかもしれないね。

98%ぐらい負け惜しみなんだけど、それでよかったと思っている。それが脳のメモリ。一度更地にしなければ、新しい物件は建てられないのと同じように、脳が常に考えていることを根底からなくすことで、新しいことを考えることが出来る。

失うのなら、すべて失えばいい。人生は積み減らしだ(岡本太郎)。手放してしまえば、やるべきことは少なくなる。たとえば、ライダーハウスの信用とか、もう気にしない。あれだけがんばって守ってきたものでも、失ってしまえば何もない。風のように消え去ってしまった。

その代り、出会った人にこれまでやってきたことをしゃべる。経験は金になった。いくつかの仕事をネットでもらっているけど、それは間違いなく、過去の自分からのギフトだとおもう。

全てを失っても、記憶と脳は消えない。それは痴呆になっても同じだ。アウトプットがされないだけで、脳は消えない。生命活動が止まり、火葬場で焼かれても記憶は消えない。そう信じている。

昆虫学者は言った。「記憶や体験のクラウドデータが存在して、命はその端末に過ぎないのではないか」

逃げるように生きて、泣くように書いてきた。それでいい。それでいいんだ。