モトハチ(元蜂の宿管理人のブログ)

閉鎖したライダーハウスの元管理人のブログです

ライダーハウス蜂の宿閉鎖の経緯

元蜂の宿管理人です。

2009年に引き継がせてもらった、ライダーハウス蜂の宿ですが、10年目となる今年、ついに閉鎖になってしまいました。

その経緯について説明させていただきます。

この新しいブログのドメインを取得した6月10日。消防の友人から連絡がありました。

「消防法だいじょうぶ?」

どうやら、ここのことが噂になっているとのことです。

ついにきたか、と思いました。ライダーハウス蜂の宿の施設は、消防法に適したものではありません。ただ、北海道のライダーハウス文化のようなものがあり、そこに乗っかったまま10年やってきたのです。

ですので、結論はすぐに出ました。

「今日をもって閉鎖します」

それから看板を隠し、ネットのサイト(ブログ、ハチノス、グーグルマップ)に閉鎖のお知らせを出しました。その日のうちに、10年やらせていただいたライダーハウスを閉鎖することができ、その効果は次の日に出てきます。

朝、消防署から電話があって

美瑛町のHPに、ライダーハウス蜂の宿ってところが消防法を守ってない、という書き込みがあったので、こちらとしても調査せざるを得ない状態でした。しかし、サイトなどで閉鎖されるということが確認できましたので、今回はこれで。もし、こっそりやるようなこと、無料で寝具の貸し出しも無いということでも、審査を受ける必要がある場合があります」(正確な文言ではありません)

ガサ入れと徹底調査のようなことはなくなりました。ソフトランディングできたのだと思います。先代から引き継いだ「蜂の宿」の最後が、ガサ入れで終わるようなことはなくなりました。

ライダーハウスができないとなると、居酒屋もきびしいです。地元のお客さんも来ていただいてはいるのですが、やはり最盛期にはシャットアウトしてしまうような店ですので、5月などは、なんとか維持している状態でした。

そこで思いついたのがライスセンターのアルバイトです。いつも旅人を派遣して、みんなニコニコ働く場所だったのですが、私が「働けますか?」と窓口のよっしーさんにお伺いします。

「大丈夫だよ」

と言うことでした。これで、破産することなく(むしろ、ライダーハウスよりも収入は上がるでしょう)冬を迎えられそうです。

大家さんにも、頭を下げました。創設者の子供に当たる人なのですが「早く売りたいんだ」といつもお待たせしてしまっています。私のどんぶり計算では、2年ライスセンターで働けば、稼げるはず。そして、閉鎖させてしまったことを謝ります。

大家さんは閉鎖については特に何も言いませんでした。それよりも、始めて私が具体的なプランで購入を宣言したことに安心してられたようです。

継続案についても、少々お話ししました。「一度、すべて更地にして、建て直したほうが早いでしょうね」という感じです。

それから居酒屋を閉める段取りを考えます。7月からライスセンターにお世話になるとして、6月中にはビールサーバーを返却したいところ。あと1週間でつきるでしょう。

郵便局を退職してから13年やった飲食の仕事。大変でしたが、おもしろかったです。この仕事をやらせてもらって、幸せでした。これを読んでいる人にもお勧めしたい。料理を作る仕事って面白いよ。永遠に成長できるし。

自動販売機の会社にも電話して、今月中に引き取ってもらうことにします。これはたぶんこれだけで終了。

ライダーハウスの解体も、徐々にやっていこうと思います。丁寧にやれば、木材はまだ使えるはず。

あとは、なにかなあ・・・特にやるべきことが見つからないので、ライターの仕事をしてました。するとお客さん、クリオネの工場長です。

右が工場長、左が私

クリオネライダーハウスとゲストハウスが閉鎖になっていて、現在復興作業中とのこと。そこで、いろいろ、旅人が集まるような、そんな場所がつくれないか?とダベりました。

この時、居酒屋には地元のお客さんが来ていて、ジンパをしていたのですが、完全にほったらかしでトークしてました。

「学校買うとか、いいよね」と話します。NPO団体で登録して、旅人の交流と、地元の経済発展につながるような、そんな形で政治を動かして廃校した学校を買う。そんなことができるのでしょうか?やればできそうです。だれかやってくれ。

居酒屋のお客さんも10年使っていただいている、ありがたい人たちです。最後に「おかげさまで、10年やることができました」と頭を下げました。

「いや、俺さ。ここなくなるの嫌なんだよね。だから民泊とか、そんな形で継続できないか、当たってみるわ」と言われます。

閉鎖は覚悟していたし、お金を貯めるためにも一度辞めるのは仕方ないと思ってました。でも、この言葉にウルっときてしまいます。最後に、もう一度頭を下げました。

閉鎖を聞いてやってきてくれた人もいます。

「いい終わり方だよね、惜しまれながら終わるってのが、一番理想的なんだ」とわたあめさん。同じ自営業者として、しみる言葉でした。

彼女Aからも「2人で住むなら・・・」と空き家を紹介されたと連絡があります。7LDK・・・もし、大家さんに追い出されていたら飛びついていたでしょう。

そして、ありがたいことに、ツイッターからあたたかい言葉の洪水が。

とてもじゃないけど、全部紹介できないぐらい。皆様、ありがとうございます。ライダーハウス蜂の宿は閉鎖してしまいましたが、美瑛町のどこかで、蜂の宿というしょぼくて汚い宿をいつか再会できればなあと思っています。

重ね重ね、ありがとうございました。

     元ライダーハウス蜂の宿管理人 野澤 知克