家具屋やリサイクルショップのソファーコーナーに行くのが好きです。
そこには数多くのソファーがあり、ひとつひとつのテイストが違います。
見た目がかっこいいもの、座り心地が良いもの、機能的なデザイン。
実際に腰を落として「ふんふん、これはいいですね」とするのが素敵な時間の過ごし方です。
そんな私の理想のソファーには、なかなかめぐり合いませんでした。
大学生の時に使っていたのは友人からのもらいもの。
郵便局員時代に使っていたものは「なんとなくかっこいいから」買ったもの。
どれも機能的にはあまりよろしくないものでした。
「部屋というのは、まずソファーから始まる」と村上春樹は言っています。
インテリアの中心であり、スタートであるのがソファーです。
一日の疲れをいやしたり、休日の趣味をすごしたりするのはソファーの上です。
「どこかに理想のソファーがあるはず」と思っていたら、その前にそれどころではなくなりました。
仕事を辞め、ライダーハウスを始めてからはソファーどころではなくなったのです。
「どうすれば潰れずに、長続きできるか?」というような感じでやってきたので、椅子というのは腰を落ち着ければ100点なのです。
ライダーハウスで最も活躍する椅子は、酒屋から200円で買ってきたビール箱といっていいでしょう。
そんな感じで8年ほどやり、なんとなく余裕が出てきたのでソファーを買うことにしました。
それまで使っていたリサイクルショップで5000円のソファーが、さすがにぐったりきていたのです。
座るたびに綿をととのえなくてはならず、我慢の限界でした。
ただ、良いソファーは高い。私は悩みました。
旭川の家具屋やリサイクルショップを巡っても「これは!」と思う商品は、やはり良いお値段がするのです。
大枚をはたくか・・・!
しかし、冬の間アルバイトをするつもりがなかったので、資金に余裕はなかったのです。
それでもソファーがほしい!そこで候補に挙がったのがネットです。
アマゾンなどで検索すれば、なかなか素敵なソファーが売っています。
それも安い。2万も出せばいろんな商品がヒットします。
ぐりぐりとソファーのカテゴリをスクロールする毎日。そのなかでライダーハウス用にひとつソファーベッドを買いました。7000円の商品です。
届いたものは、まあ想像の範囲内。それでもコスパは素晴らしい。実店舗で7000円の商品というのは、ほとんどゴミのようなものですから、さすがはアマゾンだとおもいました。
そして自分用に一つ買おうとしたのですが。あまりにも迷い過ぎて気分が悪くなってきました。
楽しいソファー選びが、苦痛に変わったのです。
「はやいとこ決めてしまえ」ということばと「まだだ、もっといい商品があるかもしれない」ということばが私の中で渦巻きます。
そんな闘争状態インマイヘッドに終わりが見えたのは「タンスのゲン」という会社を思い出したからです。
今年買った物のなかで、最も私を癒してくれたのがスプリングマットです。ベッドに置くやつ。それを布団の下に引くことによって、素的に体重を受け止めてくれるのです。
そのクオリティの高さたるや驚きました。タンスのゲン!すごいぞ!
ネットで検索すると、すぐに楽天のショップにたどり着きます。そこで運命のソファーにであいました。
おおおおおおおおお!!!
かっこいい!!
これだ!私のもとめているソファーはこれだ!
値段も15000円!ご予算内!
購入決定、数日後到着、ドキドキしながら組み立てます。
その座り心地は、まさに私の求めているものでした。
柔らかすぎず、固すぎず。それでいて姿勢が自由になるので足を組んだり、半座になったり、胡坐をかいたり、体育座りになったり。
やや硬く、広めの座面がなせる業です。
これは今まで試しずわりしたどのソファでもできないことです。
私はもう、家具屋に行ってもテンションが上がることがなくなりました。
一生をともにできるソファーに出会ったからです。
それは少し、悲しいなあって思います。
今週のお題「今年買ってよかったもの」