「 今のカブは中国産( 組み立て )だから不安 」って声をたまに聞くんだ。
まあ、わからなくはないよな。 カブといえばホンダ熊本工場のイメージがある。
そこで、しっかりと作られて組み立てられた製品だからこそ、あの耐久性があるんだって。
そんな意見に対して「 いまさら? 」感もある。
世界の工場である中国製にケチつけても、もうしょうがないじゃない。 どんな欠陥があっても、HONDAがリコールとかバックアップはしてるんでしょ? ってね。
で、実際どうなのか?
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日本→中国「 何が変わったの? 」
1:値段
「 なんで中国で生産しないといけないの? 」
「 コスト競争力をつけないといけないから 」
そもそも、日本のマーケットなんて、世界から見ると小さいものだ。
例えば、あるていどの都市にはイオンがあって良質な商品が買えるが、それに対して小さな村人が
「 ずるい 」
といってもしょうがないだろう。
実際、中国生産にすることでカブの価格はぐっと下がった。
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アタシが買った時は25万したのに・・・・・・
2:エンジン
フレームを110ccモデルと共通化 - 日経トレンディネットより
ボアストロークを含めほとんど変わっていない。
ただ、5kgほど増加したため、ミッション系は変わったらしい。
3:タフネス
カブの代名詞でもある「 耐久性 」。 コレに関してはネットの口コミレベルの話に振り回されやすいので、主に主観だ。
郵便配達で両方乗らせてもらった経験と、ライダーハウスに来たひとの話をまとめるとこうなる。
「 別に変わっていない 」
たしかに、中国工場に移転した当初は「 タマの当たり外れがある 」と言われてきた。 それはたしかにあったんだろう。 しかし、2016年現在、そんな話も聞かなくなってきた。 HONDAの工場だって前進してるのだ。
カブ大全35・NEWスーパーカブ110の生産地・中国新大洲本田 | WEB Mr.BIKE
それほどのクオリティの高さを誇るホンダ基準ではあるが、もちろん、コスト面ではまったくコピー車に勝てない。ホンダの基準は創業当時からアメリカやヨーロッパの当時の日本よりも上のレベルにあるところに向けて作っていったわけだが、中国そのものは目標がある意味下になるわけで、この下に合わせるのがなかなか難しい。技術はそれほど変わらないまま、コストはまったく違うレベル。これをクリアできないため、立ち上がった戦略が、偽カブメーカーを取り込んで勉強するというもの。
技術ではとうぜんコピーより上、だけどコストではコピーに勝てない。 だからコピーに
「 教えてください 」と言って、コピーから「 どうすれば安く作れるか? 」という技術を学ぶ。
その相手として選ばれた“コピーメーカー”が海南新大洲摩托車股有限公司。ホンダが10~20万台そこそこしか販売できなかった当時、年間60万台を売り、中国第2位にまでいったメーカーである。独自のコピー技術でコピーバイクを作っているメーカーの部品調達力はすばらしく、極めて安く調達できるため、コスト競争力はずば抜けて高い。しかし、品質レベルはもちろん、低い。
ホンダは技術があるが安く作れない、コピーメーカーは技術はないけど、安く作れる。 この二つが一緒にやればどうなるのか。
そのメーカーが2001年ホンダと合併した今回紹介する新大洲本田摩托有限公司(新大洲本田)である。新大洲本田となってからは新大洲ブランドのバイクにホンダのエンジンを載せたり、既存の海南新大洲のものと同カテゴリーの新機種をホンダブランドで出すことによって、商品のラインナップを海南新大洲、海南新大洲&ホンダ、そしてホンダと、徐々にホンダブランドに切り替え、全ラインナップが完全にホンダに切り替えられたのが2007年の10月のこと。他の中国メーカーに近いコスト競争力を持ちながら、ホンダブランドとして、クオリティの高い商品を作り出すことに成功。また、常に納入部品メーカーと問題点について指導を重ね、改善の見られるメーカーと業務契約を継続するという手法で、部品調達もクオリティアップの戦略を繰り返す。
安くてハイクオリティなカブが生産できる。 それは現在進行形で練磨されてるはずだ。
4:デザイン
デザインは人それぞれ好きな形があるだろうから、
「 こっちのほうが良い 」ってジャッジは出来ないジャンルだよな。
でも、中華カブの角目直線デザインがあまり好きじゃないって人は多いと思う。
実際、日本人好みなのが丸め曲線デザインで、それを変更したのは、やはりカブがワールド( 主にアジア )向けに作られたからだ。
スーパーカブ大全34・世界中のカブを取り仕切る、今田LPLが新型スーパーカブ110を語る | WEB Mr.BIKEより
しかし最終的には、スーパーカブは今のホンダを大きくした立役者で、今後はさらにグローバルな位置づけでホンダの二輪を牽引していかなければならない存在です。このような背景から、グローバルモデルとしての位置づけを鮮明にしました。
それに、カブだからカスタムもいっぱいできるんじゃないか。
スーパーカブ(JA10,AA04)のカスタム | モトブラン ブログ Moto-Blancより
5:その他の変更
エンジンにほぼ変更ないが、乗れば違いがよく解る
スーパーカブ大全34・世界中のカブを取り仕切る、今田LPLが新型スーパーカブ110を語る | WEB Mr.BIKEより
1、レッグシールド分割
レッグシールドの真ん中にある黒いヤツ、あれはレッグシールドの境目を隠す役目がある( もちろん、汚れやすいところなので黒にしたんだろう )。 コレによって左右どちらかに倒したとき、レッグシールドが割れて全部取り替えなくても、割れたほうを取り替えればよい。
2、ミッション
強化されている
強度的にタフネスを上げる意味でミッション系が変わりました。レシオは変えていません。そういうところで型式が変わりました。基本的には一緒です。
3、パワー、トルク
コレについては後述
新型は荷物積載時の走行安定性向上を狙った結果、タイヤサイズアップその他で5kgほど車重が増えまして、中低速のトルクを上げないと従来と同等の走行性能にならないということで若干チューニングしてありますが、大きく変わるところはありません。ただ、乗っていただくとわかると思いますが、車体は操縦安定性の部分で別物のように変わっています。
4、タイヤ、ホイールベース
車体が伸びたことで直進性能が増している。 タイヤも若干太くなったようだ。
ホイールベースが伸びたことで直進安定性が上がりました。メトリック表記となったタイヤも太くなり、それを含めてジャイロ効果も出ています。従来のモデルはどちらかと言えばヒラヒラ感があり、そういったセッティングが好まれていました。新型は安定感あるセッティングで安心感が増しています。荷物を積んで走る事も多いスーパーカブなので、ちょっとした外乱に対しても安定する特性としました。
5、シート
厚くなっている。
さて、操縦安定性の部分で別物になっている
ってあったけど、どう別物になったのか?
ちょうどライダーハウスのお客さんが中華カブ( JA10型 )だったから
「 プチツーリング行かない? 」と誘ってみた。
実際に乗り比べてみた
アタシのJA07と、お客さんのJA10を取替えっこしてインプレッション。
お互い、走行距離は2万いってない。
積載はほぼなし。
いつものところ
乗り出してすぐに感じたことは
「 安定感がある 」ってことで、それは逆に言えば
「 ひらひら感はない 」ってことだ。
クランクのような小道を走るにはJA07のほうがキモチ良い。
国道をまったり走るんだったらJA10に軍配が上がる。
6kmまでのトルクはJA10のほうが太い。
その分、8kmまで出すと苦しそうだ。
まあ、これは好みの問題かもしれない。 スプロケの丁番を2,3増やしたり
( もちろん、そうしたら下のトルクが薄くなるが )すればいいだろう。
ホイールベースを長くしたり、タイヤが太くなったりした効果ははっきりと感じられる。
走行安定性はまちがいなくJA10のほうが上。 フラットに最高速まで到達するのはJA07のほうが早い。
「 どっちもいいバイクだな 」と思う。 「 なにかトラブルあった? 」と聞くと
「 特にないですけど、電装系が弱いみたいです 」ってさ。 ヘッドバルブを
この前交換したらしい。
まあ、JA07も振動に弱くて、すぐにブレーキランプが切れてしまったことがあった
しね。
それと、整備。 レッグシールドを外そうとしたら、鬼のようなトルクで締め上げてあって苦労したって話を聞いたことがある。 ここら辺は按配だよなあ。 「 ゆるくて外れるよりまし 」って考えたほうがいいか。 あっちの路面はひどいらしいから、それを見越してぎゅうぎゅうに締め上げているのかもしれない。
まとめ
中華カブ(JA10型)の初期ロットは確かに問題があったのかもしれない。
( フルモデルチェンジの初期ロットなんて大体問題だらけなのは置いといて )
「 中国製だから心配だ 」ってのは90ccまでのカブシリーズと比較してしまっているんじゃないだろうか?
110ccと90ccのカブはぶっちゃけ別物である。
JA07とJA10にはそれほどの違いは感じられない。
違いがあるとすれば進化じゃないだろうか。
大幅なコストダウンに成功して、さらに進化してるんだからすごいよな。
結論 : 買うなら最新型を買おう
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