九月も中ごろになったということでさ、お客さんも落ち着いてきたんだよ。
大体九時前にはオーダーがはけてしまって、ゆとりみたいなのが生まれてきたんだ。
そんな貴重な時間にやることは一つ、
アタシの使命というかライフワーク、
それは立体四目をつかった、インタビュー・ウィズ・ライダー。
平たく言えば「 若者に絡む 」
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立体四目について
ルールは実に簡単、五ならべってあるじゃない?碁石を5つ、直線にならべたら勝ちってやつ。 その、立体三次元で4つならべたら勝ちってゲームなんだよ。
ルールもコツもすぐにつかむ、アタシがこのゲームを重宝してる理由は二つある、
ひとつは「 誰でもわかりやすくて、すぐに勝てる 」ってところなんだ。
初めてやった人でも、ベテランに勝てる。
こりゃ面白いよね。 そして、もう一つ
「 会話に引き込める 」ってのがある。
それはなぜか?
話をするときは、相手の目を見てはいけない
「 話をしよう、あなたは何者? 」って切り出しで心を開いたトークはできないよ、
人間ってのは、初対面の人間を警戒するものなんだ。
そんなカベをみんな持ってる、そのカベを突破するには
「 カベに向かわない 」ってのが大事なんだ。
どうゆうこと?
つまり、相手の目を見ない。 できれば同じ方向を向くってことだ。
最適なのは同じ対象をみて、それについて話すってのがベストなんだよ。
あるだろ? 男なら小便器にならんで天気の話をしたことぐらい?
「 話をするときは相手の目を見なくてはいけない 」ってのは限られた条件のことで、
本当は仲良くなりたい相手と向かい合ってはいけないんだ
敵対しちゃうんだよね、カベをつくっちゃうんだよ。
だから、なるべく初対面の相手とは、目線を交わさず、同じ対象を見ているほうがいい。
なんで、みんな初めてのデートには映画にいくとおもう?
そう、向かい合わずに同じ対象を見れるからだ。
立体四目もまったく同じ理屈で、目線を交わすことなく話に引き込むことが出来る。
法学部出身PET放射線ボーイ
「 何やってる人なの? 」
「 同志社で法律を勉強してます 」
「 へー何年? 」
「 四回生です、MRになります 」
「 MR!また畑違いな・・ 」
「 いえ、PET放射線とか法律の知識も生かせるんですよ 」
「 PET放射線? ワンちゃんとかにするの? 」
「 いえ、そのペットじゃないです 」
「 ああ、PETってのね。 あ、勝った 」
「 ええ? 」
「 じゃあ、ブログにのせるよー 」
(抜群のタイミングで目を・・・・・)
ちなみにPET放射線治療とは
高学歴な彼からは、やはり知性的なナニカウェイブを感じたね。
農学マーケティングボーイ
「 何やってる人? 」
「 宇都宮の大学で、農学部です 」
「 あ、もやしもんの 」
「 はは、来年は卒業して日立系の会社に入ります 」
「 これまた別な畑に 」
「 そうでもないですよ、農学部でもマーケティングとか面白かったです 」
「 へーそうなんだ 」
「 たとえば、農産物の原価って十パーせんとぐらいなんです、それに輸送費とかいろいろなものがくっついて今の値段になってるんですよ 」
「 へー、実家も農家なの? 」( やばい、まけそう )
「 はい、きゅうりとか作ってます 」
「 そうなんだ、休みの日とか何してるの? 」( ごまかせ! )
「 実は今回はバイクですが、ロードもやるんです 」
「 おお、いいじゃん! ところで、マーケティングの話に戻るけど、うんぬんかんぬん・・・・・・: 」( ごまかせ、ごまかせ )
あ、ごめん。
勝った。
はい、チーズ
初キッスはクリーニング屋のかほり
( 立体四目は一勝一敗、別ゲームのドメモにして、罰ゲーム『 はじめて、チューした話 』 )
「 ・・・いや、まじ恥ずかしいっす 」
「 ・・・・ 」
「 ・・・えと、中三でした 」
( 一同 )「 中三! 」
「 うわ!恥ずかしい! 」
「 んで、んで? 」
「 えと、中学って帰り時間が同じになるじゃないですか? 」
「 ほうほう!帰り道! 」
「 んで、そのとき付き合ってた彼女と・・・ 」
「 カノジョと!? 」
「 ・・・目があって・・・・ 」
「 ヒュー!目が合った! 」
「 なんか通じて『 目、つぶって 』って 」
「 ヒャー! 」
「 うわ!なんで、北海道でこんなこと思い出してるんだろ! 」
「 どんな香りがした? 」
「 ・・・えと、クリーニング屋のにおいがしました 」
「 わはは!なんで? 」
どーやら、クリーニング屋の清潔だけど、清潔すぎるにおいがしたんだって。
いやあ、いい話をありがとう。
汚い心が、油汚れにjoyをたらしたように分解されたよ。
面白かった、やっぱり人間ほじくると面白い。
明日からも、またほじくるぞ。
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