モトハチ(元蜂の宿管理人のブログ)

閉鎖したライダーハウスの元管理人のブログです

スキューバしに沖縄に行ったら、なぜか笛をつくっていた話

初めて沖縄に行ったのは、郵便局に就職する前の冬だった。

大学生の時にスキューバのライセンスを取っていたので、

せっかくだから使いたくなったのだ。

( こう書くと「 なんだてめぇ?リア充か! 」と言われそうだが、

安心してください、がちがちの童貞でした。 )

 

ISDN回線でネットして、とある沖縄のダイビングスクールを発見し、そこに決定。

そのHPは当事としてもオサレ感はまるでなく、適当にHTMLを手作業で埋め込んで作ったような、そんなサイトです。

( そんなサイトを見て即決しちゃうから、29まで彼女ができないんだよ・・・と未来の自分から説教したいです )

で、いま探してみたら

西日本ダイビングスクール

あった・・・ ブログもあるが更新されてない・・・

オサレ、たのしい!とかのステータスはまったく無くして

あやしい、冒険!に全振りした初めての沖縄旅行、

潜りに行ったはずなのに、なぜか笛を作っていたという話を聞いてください

 

 

初日、初めての沖縄で選択をせまられる

初めての一人旅で、初めての沖縄で、初めての熱帯スキューバ。 テンションがあがりっぱなしで、西日本ダイビングスクールの人に教えてもらったバスに乗る。

1時間くらい乗る。 

降りたら住宅地だった。 「 どーもー 」と声をかけられる。 西日本ダイビングスクールの人だった。 車に乗ってショップ 兼 オーナー住居 兼 宿 につれてってもらう。 要するにただのでかい家だ。

美人の奥さんと、快活な子供たちと、かっこいいスタッフをとりまとめる男、オーナーに初対面する。「 北海道から来たの? 」から始まり、琉球文化と北海道の距離感。 そして、明日は風が強いから潜れないということを聞いた。 どうしよう。

「 そこでだ、これをみてほしい 」とビデオを見せられる。 オーナーと奥さんが、何かのイベントでフルートのようなものを吹いている。

「 これだ 」とその笛を見せてきた、竹でできたフルートのような笛だ。

 

それから、オーナーと笛の師匠との出会い、技術の習得から沖縄の観光スポットで店を開くまでの経緯などを聞いた。 5000円で笛づくりが体験できるという。

 

「 どうだ、やってみないか? 」とオーナー

「 じゃ、やります 」と二つ返事の僕

契約が成立した瞬間だった、ダイビングの話はあまりしなかった

 

次の日、笛をつくる

オーナーの店は観光客がよくくるような施設の一角にあった。 はっきりいって浮いている。 オーナーの店以外は「 んーいいね、沖縄だね 」って感じがでてるが、こっちは「 笛 」なのだ。 謎である。 

そこで、電動ドリルをウィンウィンさせて笛を作った。 とてもいい音のする笛だ、今でも持ってる。

「 こいつ( スタッフ )を1日1万で貸してやる 」ということだったので、スタッフことナカムラのにーやんの車、燃料費込みで沖縄の観光スポットをいろいろ回った。 

米軍基地と米兵とのトラブルの話を聞いたり、首里城ひめゆりなどの鉄板観光地に行ったり、にーやんおすすめの糸満やあげもの屋なんて感動した、北海道と違いすぎる。 「 おれを1日1万はやすいよー 」とにーやんは言ったが、ホントやすかったと思う。 ありがとう、にーやん。 グスクというパワースポットやタコスライスのおいしい店やお土産やさんにもつれてってくれた。 

夜はみんなでギョーザを食った。 明日はなんとか潜れそうとのことだった。

 

3日目、ついに潜る

強風を避けて、だれもいないショアからてくてく歩いて入水。 初めての沖縄ダイビングだけど寒い、水温はこれから上がるんだろう。 水の中はさすがに北海道より色彩豊かだ、カメラ( 使い捨て防水 )でパシャパシャ撮る。 が、今になって思うが、ここは僕の練習場所だったんだろう。 初サンゴで興奮したけど、他の場所に比べてあまりに少ないサンゴだったし、2年くらい潜ってなかったのでほぼ素人。

 素人が興奮するパターンが一番おっかないのだ。 カサゴとかウニとかいるからね。

昼、にーやんおすすめのソーキそばを食う、北海道に帰るとこれが食えなくなるのが悲しくなってくるくらい旨かった。

午後からマエダという有名スポットに。

重いスキューバを装備して20mくらいの崖につけられた階段をゆっくり下りる。 エントリーはごつごつした岩だらけの浅瀬で、しばらくこの状態が続くのだ。

「 波の引き潮のときは岩をつかんでね 」とにーやんに言われたとおりにしないと、体はすぐに飛んでいきそうだった。 

マエダの海中は衝撃だった。 「 竜宮城 」が近い表現だと思う。 30mくらいの海底までもぐって、ハタタテハゼを見る。 かわいい。

家に帰ると「 今日はボウリングに行こう 」とボウリングに行った。 笛の曲を教えてもらった。 明日は最終日だが、最高のポイントにつれてってくれるらしい。

 

次の日、北谷でピラミッド

サンゴにはハードとソフトがあって、水質汚染でハードのほうはひどく減少してしまったらしい。 しかし、ソフトのほうは見れる。 

ただ、サンゴは生き物だから気安く触ったりはできない。 中性浮力という浮かびも沈みもしない状態をキープできないと、ここでは潜れないだろう。 で、潜った。

通称「 花畑 」というポイントらしいが、まさにそのとおりだ。 今でも目をつぶれば思い出せる。 

午後、「 ヒガシノコウジも案内したんだ 」という「 ピラミッド 」というポイントに行く。 花畑から沖へひたすら泳ぐ、ホントに海底にピラミッドがあるのだ。

okinawadivingschool.blog13.fc2.com

これにて今回のスキューバは終了。 だが、すばらしいフィニッシュだった。

夜、いつものようにオーナーと喋る。 「 君の心にあるサンゴを守るんだ、心の防波堤をつくってね 」 その言葉が今でも印象に残っている。 

次の日、にーやんにバス停まで送ってもらって終了。

 

そのあと、もう一回行った

働き始めて、1年ぐらいしてまた沖縄に行った。 オーナーに笛を聞いてもらって、今度は別のお客さんと別の施設に泊まった。 でも、初回ほどの感動はなかった。 当然だろう。 この思いでは最高のものだったから、それを薄めるような行為はしちゃだめなのだ。 

すべての要因が奇跡的にかみ合った素敵な旅だった。  

それを久しぶりに取り出して書いてみる、虫干しのようなものだ。

現在の僕がライダーに、谷川俊太郎の詩を朗読させたり、滝浴びをさせたり、今年はおそらくブーメランを作らせたりするのは、このオーナーの影響が大きいと思う。

「 心のサンゴ 」とはおそらく、この旅のことだったんじゃないかな。 たぶん。