私は鈍器だ、人を傷つけないし、持ちやすい。
そんな私でも苦手な人がいるってことを、工場でバイトしていたときに知った。あまりにも、その人のことを考えすぎたせいで、注意力が鈍ってしまったことがある。その時は、フライパンが火を吹くぐらいですんだのだけれど、あのままいたら交通事故を起こしてしまったのかもしれない。
500人に1人ぐらいの確率で、そんな人がいる。
今なら、思うのだ。いきなり全てを理解しようとしてはいけないと。
その人の理解できるところまで理解して、あとはじっとそこで耐えるべきだった。
これは人間だけでなく、仕事でもそうだ。
ガーッとやって、終わる仕事ならそれでいいけど、そうでないなら、どこかで休憩ポイントを作らなければいけない。そこで、耐える、じっと我慢する。
登山で言うなら、キャンプ1を設置する感覚だ。ヤバそうだったら、そこに引き返す。じっと耐える。すべてを投げ出したりはしないが、むやみに活動したりしない。
身の安全を確保し、耐えろ。全力を使い切ってはいけない。たまに、精神は肉体を凌駕してしまう。それは日本人的な美徳かもしれないけど、体へのダメージは確実に残るということだ。フライパンから火を吹いたり、鬱になったりするのは自分の限界を意味している。キャンプ1へ戻れ。
鈍器だからこそ、殺傷能力がある場合だってある。人や仕事、ヤバイと思ったら、撤退をするべきだ。可能な限り、自分を守らなければならない。