死が近いときほど、命は輝き燃え上がるものだ。
自慢じゃないけど、何度か死にかけたことが有る。
最初はカヤック。美瑛川を単独で下ったはじめての川下りで、堰堤に吸い込まれてしまった。すごい勢いで、自然と排出された。
パラグライダーでも、気に引っかかったことがある。少し間違ったら、高速道路の上に落下したはずだ。
山で道に迷って、ヒグマに出会ったのもヤバかった。いくら臆病な性格だと分かっていても、あの迫力はとんでもない。
こんな自分が自営業をしているのも、正直やばい。金への執着が薄すぎる。ただ、郵便局時代に焼いてしまったプライドが、貧乏を受け入れてしまっている。
貧乏に強いのは、悪いこともある。自分にホームレスの素質があるのを、ちょっとづつ自覚してきた。向上心は忘れないようにしたい。
いま、こうして死にかけたことを思い出すと、自分の細胞が朝露をすった高山植物のように花開き、頭がスッキリと覚醒し、心臓がビートを激しく叩くのがわかる。
常に心に死を、それが生きるということだ。