秋葉原の事件をまだ覚えているでしょうか?
歩行者天国に2トントラックが突っ込み、ダガーナイフで7人が死亡した事件です。
その事件を追ったノンフィクションを読みました。
当時は、 加藤の動機や、社会的背景など、さまざまな推測が飛び交ってました。「加藤は2chで迫害された」というのが世間の認識立ったと思います。
ですが、加藤は2chを使っておらず、もっと小規模の掲示板に張り付いていたということ。その掲示板で仲間をつくって、1人づつ会いに行く旅をしていたりします。
なんだよ、ライダーハウスにくる人と同じじゃん。と思いました。加藤はコミュニケーション能力は人並みにあり、自らの容姿に自信はないけど、悲観もしていないという普通の人でした。
彼女ができないことは思い悩んでいたようで「もっと服にきょうみを持ちなよ」と掲示板の女性に言われたりしてます。
興味があるのは車。30万のスバルインプレッサを買ったりしてます。
加藤が歪んでいたのは1点。それは抗議を行動で示してしまうということです。
誰かに対する不満を持ったら、破壊的な行動で自らを傷つけることで「わかってほしかった」ということ。
それは小学生時代の母親の教育が原因のようです。ヒステリーのように切れる母親。加藤の食事が遅いと、新聞紙にぶちまけて「食べなさい!」と強要していたのだとか。
ただ、母親はその後、加藤が成人したあとで反省しています。「あななたたちがそうなったのは、私が原因!」と加藤の生活をサポートしてます。
大型免許をとったり、信頼できる人を見つけたり。加藤は実に普通の男です。ただ、小さい頃の虐待により、決定的に歪んでしまったのです。
承認欲求のかたまりとなって、携帯電話で掲示板に没入します。そこで加藤のなりすましが現れ、アイデンティティを失ってしまった。
「切れました」と書き込み。まあ、つまり「お前のせいだ!ばーか!」と事件を起こすのです。
加藤家は崩壊。弟は自殺、母親は精神を病み、父親は離婚して仕事をやめています。
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恐ろしかったのは、加藤がそこら辺にいる普通の人ということです。ほんとうにちょっとしたことなんだよなあ・・
スバルインプレッサじゃなくて、プジョーのジャンゴとかにしたら、彼女ができたりするんだよなあ・・
それにしても、教育の難しさよ。