ライダーハウス蜂の宿

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ライダーと屈折

1泊2日利尻山弾丸登山から帰ってきた。その日の夜はさすがに体が動かなくて「マスター、今日居酒屋やる?」ときかれて「うん、これから」と立ち上がった瞬間に「ごめん、やっぱむり」と前言撤回。起きているのは意識だけで、体は完全に固まっていた。

自分がいない間にも誰かがやってきて、そして出ていったようだ。貰ういわれのあまり無いお金を「はい、これ」と連泊中のアンコマンとタカちゃんが渡してくれた。「今日居酒屋やすむけど、どうする?」と彼らの晩飯事情を探ると「きょうはジンパです」あ、丁度いいや。「人増えても大丈夫」「ええ、焼き台見つけたんで」「じゃあ、この人まぜてー」「どうぞ」「買い物行く?」「はい」「じゃあ、車だすよ」

と、輪に入りにくそうなご新規さんをのせてスーパーへ。貰ういわれのあまりないさっきのお金を木炭に代えた、あと自分のビール。ライダーハウスにもどって豪快にファイアーしてるとバイト組がぞろぞろ帰ってくる。

なんだかんだと酔っぱらったので会話に絡んでみた。タイで好きだった女に告白しに行ったら男だったという話、金を使いすぎてガソリン代はクレジットで払っているというはなし、ウラジオストクからポルトガルへバイクで走る話、おすすめのサトウキビ工場、南大東島西表島の比較、最近の麦工場の状態「今日はアレしてコレしてあれやってただけです」「それっていつもライダーハウスでやってることじゃん」「時給がでるのが大きく違います」

麦戦士たちが麦工場の真の姿に気づいてきていて、とってもリラックスしてるのが分かる。彼らは最初は緊張していた。仕事を辞めた、仕事をしてない、不安、緊張、対人スキル、それらを抱えていてリラックスどころじゃなかったのではと思う。そんな彼らにとって「麦工場にいけば死ぬことは無い」というライフラインを得たことは大きな事だろう。

仕事を続けるということは、仕事の形に屈折しないといけないということだ。郵便配達には郵便配達をする人の形がある、保険営業には保険営業のカタチ、政治家、大学教授、警察、ヤクザ、コンビニ店員、化学系のメーカー、ライダーハウス管理人、世の中のあまたの仕事にはフレームがあり、その仕事を続けるにはそのフレームに収まらなくてはいけない。

同じ仕事を続けて子供を産み育て定年まで働くというのは称賛されるべき偉業だ。屈折がアイデンティティを犯すまで曲がりくねっていて、そうなったおじさんはちょっとやっかいになることがおおい。

麦戦士はその屈折が(おそらくだけど)少ないのではないだろうか。その人の形のまま、まっすぐやりたい方向へ成長できる。ふかふかの土、さんさんの太陽、水分、栄養、どこかでまた屈折しなければいけなくなるかもしれないけど、人間に必要なのはそんなベースだ。

20年ほど前の麦戦士たち